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本田が語った「W杯は集大成」の真意

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 5月29日に自身のオフィシャルサイト(http://keisuke-honda.com/)で「四年に一度のW杯に行く前に」というタイトルで思いを綴り、今大会を「集大成」と表現したFW本田圭佑(ミラン)が、31日、その真意を語った。

「4年に一度しかないW杯ですから、次のW杯でプレーできる保障はだれにもない。まずはこの大会に懸ける意味で、ということ。自分の中ではここを節目にやるという気持ちで今まで挑んできたし、次はないというくらいの気持ちで挑むべきだと自分では言い聞かせています」

 W杯を最後に代表を退くという意味ではない。むろん、サッカーそのものをやめるという意味でもない。「優勝」という壮大な目標を公言し、ときに暴走とも受け取られるほど突っ走ってきた4年間のすべてを胸に、不退転の決意で臨むW杯という意味だ。

 ベスト16が過去最高成績という日本代表において、優勝という目標は、本田が口にし始めた当初は現実離れしているとの声が大きかった。いや、むしろ真に受けてもらえることは少なかった。

 それは代表チームの中でも同様だった。選手によっての温度差は決して小さくなく、戸惑いを見せる選手、冷めている選手もいた。しかし、それは本田自身も分かっていたこと。

「申し訳ないですが、強引に、勝手に引っ張ってきた部分もあるし、それで迷惑をかけた部分もあると思う。ただ、強引に雰囲気づくりをやってきたけれど、ここからは“実”が必要。日本のサッカーはこれからが本当の意味で重要な立ち位置になっていくということで、このW杯は重要になっていくと思う」

 本田が切望したように、今はチーム全体のベクトルが同じ方向に向かうようになっている。確かに強引ではあったが、結果的にはチャレンジ精神と自信がほどよくミックスされた上等な雰囲気がチームを覆っている。だからこそ強く結束している。

 英語での質問も受けた。「これは最後のW杯になるか」と聞かれると、「そうは思わないけど、分からない。ただ、そのような気持ちで臨むべきだと思う」と返した。心技体と運。すべての要素がそろわない限り、ピッチに立つことすら難しいのがW杯であるという思いもあるのだ。

 たとえ、これが最後になったとしても悔いのない戦いをする。二度と訪れない瞬間にすべてを出し尽くすべく、本田はブラジルに向かう。

(取材・文 矢内由美子)

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