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駒場が佐野日大を下し、都立勢初の関東大会制覇!

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[6.2 関東高校大会決勝 駒場高 3-0 佐野日大高 保土ヶ谷]

 第57回関東高校サッカー大会は2日、神奈川県・保土ケ谷公園サッカー場で決勝戦を行い、駒場高(東京1)が3-0で佐野日大高(栃木1)を下して初優勝を飾った。都立勢の関東大会制覇は史上初となった。

 試合は、立ち上がりこそ互いにチャンスを作り出したが、次第に出足の鋭さに優る駒場がペースを握って行った。佐野日大は、2分に右DF片倉佑基がフワリとした浮き球のパスを送ると、2年生FW岩木艦がドリブルで相手GKをかわしてシュート。いきなりのビッグチャンスだったが、駒場はDF小松謙祐のカバーで難を逃れた。

 7分には、駒場に好機。右CKをMF高橋康太がヘディングで合わせたが、クロスバーに嫌われた。10分には佐野日大が2度目のチャンスを迎えた。右MF津布樂飛雅のクロスから折り返しを左MF青柳淳耶が狙ったが、ゴール右へ外れた。

 交互に得点機を迎える中、先制点は18分に訪れた。駒場は右MF秋葉遼太の突進から生まれた右CKを生かした。2年生FW片岡勇介がヘディングで折り返し、混戦となったゴール前で高橋が押し込んでゴール。駒場の山下正人監督が「互いに疲れている中で、先にうまく入っちゃったから、相手はキツかったと思う」と話したように、佐野日大はそれまでチャンスを作れていたもののトーンダウン。逆に駒場はボランチの篠原力の展開力を使いながら、攻勢を続けた。

 佐野日大も反撃に出たが、守備が信条の駒場は、縦パスやシュートをことごとくブロック。そして34分に右サイドから押し込むと、2トップを組む片岡のパスを受けたFW吉澤泰成が左足に持ち替えてダイナミックなミドルシュートを放った。ボールはファーサイドのポストに当たり、ライン上を横切ってニアサイドのポストに当たってゴールイン。「守備の時間が長いチームなので、少ないチャンスを物にするため、クロスはダイレクトで狙う」というストライカーの一撃が、貴重な追加点となった。

 前半を終えて2点のビハインドとなった佐野日大は、後半から空中戦に強いCB永見廉をFWで起用し、パワープレーに打って出た。永見の前方や、永見が競ったこぼれ球から次々にシュートへと持ち込み、反撃ムードを強めた。しかし、後半7分に駒場は左サイドからのクロスを高橋がつないだボールを吉澤が左足のダイレクトシュートで巧みに合わせて3点目を獲得。勝敗を決定付けた。

 苦しくなった佐野日大は、ロングスローやCKなどから迫力のある波状攻撃を仕掛けて後半だけで10本のシュートを放ったが、駒場のGK芹澤遼太が安定したセーブでゴールを死守。試合は3-0で駒場に軍配が上がった。主将の末永直輝を出場停止で欠く中、キャプテンマークを巻いてプレーした駒場の篠原は「自分たちが、関東大会に参加しているチームの中で一番下手で弱いチームだということはみんなが分かっている。だから、チームの力が大事。日を追う毎にチーム力が高まり、誰かの力ではなく全員の力で勝てたことが嬉しい。関東で優勝したから強くなったと勘違いする選手はいないと思うけど、自信がついた部分はある。これまでは東京で1位が目標だったが、今度は全国で通用するチームを目指したい」と、さらなる飛躍を誓った。

(取材・文 平野貴也)

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