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「最悪」のコンディションだった香川、完全復活の予兆

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[6.2 国際親善試合 日本3-1コスタリカ タンパ]

 完全復活を予感させた。決勝点を決めるなど全3得点に絡んだFW香川真司は試合後、時差ボケに悩まされていたことを明かした。

「コンディションはあまり良くなかった。時差ボケで、眠れていなかった。コンディションが最悪な中で、そういう状況で迎えた試合でも動けた。練習をやり過ぎなところも感じていたけど、今になって動きの質やキレが出てきている」

 都内での海外組による合同自主トレに始まり、鹿児島・指宿合宿でも連日のフィジカルトレーニングで体を追い込んできた。5月27日のキプロス戦(1-0)では運動量が上がらず、走行距離が短かったことに「悲しかった」と冗談交じりに話していたが、コンディションが悪い中でも体が動いたことに自分自身、驚くほどだった。

 W杯本大会に向け、チームとしても手応えを深めた。「チャンスのつくり方がよかった。連動して、縦パスが入って、3人目の動きとか、みんなが絡んでシュートまで行けていた」。決定的なパスにシュート。香川自身、何度となくチャンスに絡んだ。1-1の後半35分にはFW柿谷曜一朗とワンツーの形でゴール前に走り込み、右足で決勝点となる勝ち越しゴールを流し込んだ。

 今シーズン、マンチェスター・ユナイテッドで公式戦ノーゴールに終わった香川にとって、クラブ、代表を含めて3月5日のニュージーランド戦(4-2)以来、約3か月ぶりのゴールだった。ニュージーランド戦はPKによる得点。流れの中から決めたゴールとなると、昨年9月10日のガーナ戦(3-1)までさかのぼる。

「流れの中で取れたことは何より大きいし、2点目を取られずに守った結果、逆転できた。守ってくれたことに感謝したい」。3-1の逆転勝利を手放しで喜ぶわけにはいかない。「本番を想定している中で、僕らが先制点を取らないといけなかった」。先制点の重みを理解しているからこそ、チャンスをつくりながら決め切れなかった前半の展開を悔やんだ。「あそこで取らないと苦しい展開になる。そこは課題として残った」。あくまでW杯を見据える背番号10は、そう言って表情を引き締めた。

(取材・文 西山紘平)

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