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最後まで競争を促すザック「レギュラーを決めるのは難しい」

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 最後まで競争を促す。日本代表アルベルト・ザッケローニ監督は5日、米フロリダ州クリアウオーターのチーム宿舎で記者会見を行い、W杯前最後の強化試合となる6日のザンビア戦を最終テストの場と位置付けた。

「明日はテストできる最後の場だと捉えているので、数名の選手を試してみたいと思っているし、90分できるかどうかを見極めないといけない選手もいる。また、チームが90分を通してどんな戦いができるかもチェックしないといけない」

 DF酒井高徳が別メニュー調整ということもあり、2日のコスタリカ戦(3-1)ではDF長友佑都不在時を想定し、DF今野泰幸を左SBでテストした。今野自身は「満足できるものではなかったし、アピールになったとは思っていない」と振り返るが、指揮官は「100%のパフォーマンスは各々の適正ポジションで出してくれると思うが、7割、8割の計算は他のところでも立つと考えている」と一定の評価を下す。

「ユーティリティープレイヤーが多いのはチームの助けになる」と話すとおり、今野や酒井高、DF伊野波雅彦、FW大久保嘉人らを筆頭に複数のポジションをこなすことができる選手が多いこともザックジャパンの特長だ。ザンビア戦ではMF長谷部誠の起用を見送る考えを示したザッケローニ監督はボランチで今野や伊野波を新たにテストする可能性があるかを問われ、「ボランチで言えば、伊野波というよりは今野だろう」とも言及した。

 指揮官の考えている「テスト」が何であるかは明日の試合を見てみなければ分からないが、5月27日のキプロス戦以降、まだ出場機会のないFW齋藤学を起用する可能性もあるだろう。同時に「数名の選手には少しでも長い出場時間を与えたいと思っている」と指摘。所属クラブで出場機会に恵まれなかったFW本田圭佑やFW香川真司、あるいは故障明けのDF内田篤人やDF吉田麻也を長時間プレーさせる考えも示唆した。

「一つ言えるのは、ここ数か月、メンバーを入れ替えながらも、チームとして良い戦いができて、結果も付いてきている。チーム力が付いてきていると思うし、そういう意味では、11人のレギュラーがだれなのかを決めるのは難しい状況に来ている」。1トップ、ボランチ、センターバック――。本大会が目前に迫った今も、熾烈な競争が続いている。

「試合前からプランしている交代のカードというのは、前回の試合(コスタリカ戦)よりも減ると思う。試合の流れを見ながら交代枠を使っていきたいし、その日のパフォーマンスやコンディションを見ながら検討していきたい」

 試合展開や個々のパフォーマンスも見極めたうえで采配を振るう考えを示したザッケローニ監督。W杯前ラストゲームとなるザンビア戦は、チームとしての総仕上げであると同時に、個々の選手にとってもレギュラー獲りへ最後のアピールの場となる。

(取材・文 西山紘平)

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