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3失点で守備に不安も…ザンビアに4-3で競り勝ち5連勝でW杯へ

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[6.6 国際親善試合 日本4-3ザンビア タンパ]

 米フロリダ合宿中の日本代表は6日(日本時間7日)、タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムでザンビア代表と対戦し、4-3で競り勝った。前半9分、29分と立て続けに2失点。前半40分にFW本田圭佑のPKで1点を返すと、後半28分にFW香川真司、同30分には本田がゴールを決め、逆転した。後半44分に追いつかれるも、後半アディショナルタイムにFW大久保嘉人が決勝ゴール。W杯前最後の国際親善試合を勝利で飾り、これで国際Aマッチは5連勝。チームは明日7日、いよいよブラジルに向けて出発する。

 右ふくらはぎの張りのため前日5日の練習を別メニューで調整したDF長友佑都、微熱のため4日の練習を休んだFW岡崎慎司も先発。5日から全体練習に合流したMF長谷部誠はベンチスタートとなり、ダブルボランチはMF遠藤保仁とMF山口蛍の組み合わせとなった。GKは川島永嗣に代わって西川周作が昨年11月16日のオランダ戦(2-2)以来、5試合ぶりに先発した。
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 FW柿谷曜一朗の1トップに2列目は右からFW岡崎慎司、本田、FW香川真司。最終ラインもDF内田篤人、DF吉田麻也、DF今野泰幸、長友と、これまでのレギュラー勢が並んだ。W杯初戦となる14日のコートジボワール戦を見据え、フィールドプレイヤーは現状のベストと思われるメンバーを組んだ。

 高い位置からプレッシャーをかけようとする日本だが、ザンビアはシンプルなロングボールを織り交ぜ、日本のプレスをかわす。すると開始早々の前半9分に先制点を奪われた。中央からパスをつないで右サイドに展開したザンビアはDFジミー・ムリロのクロスをニアのMFフェリックス・カトンゴが流し、逆サイドから走り込んだMFクリストファー・カトンゴがヘディングシュート。内田も対応していたが、マークに付き切れなかった。

 2日のコスタリカ戦(3-1)に続いて先制を許した日本。W杯本大会を見据え、試合前から選手たちは先制点の重要性を口々に語っていただけに、悔やまれる立ち上がりとなった。前半18分には今野からのロングボールに飛び込んだ岡崎がGKトースター・ヌサバタと激しく交錯。頭部同士が衝突し、左目の上あたりを切って流血した。それでも頭部に包帯を巻いて、そのままプレーを続けた。

 守備ではプレッシャーがかからずに後手を踏み、攻撃でも起点をつくれない日本はなかなかリズムに乗れない。逆にザンビアの個人技や身体能力に翻弄される場面もあった。前半29分、ザンビアは右CKのチャンスからMFチサンバ・ルングがマイナスにグラウンダーのボールを入れると、ニアでスルーし、PA手前のMFネイザン・シンカラが右足でシュート。トリックプレーへの対応が遅れた日本の選手たちはシンカラに付き切れず、フリーでミドルシュートを決められた。

 W杯アフリカ予選では、ガーナと同組となった2次予選で敗退したザンビアに対し、2点を追う展開となった日本。チャンスらしいチャンスをつくれないまま、前半35分には遠藤のミドルシュートも大きくゴール上に外れた。それでもボールをつなぎながら辛抱強くチャンスをうかがうと、前半39分、中央をドリブルで仕掛けた香川が岡崎とのワンツーで右サイドに流れ、ゴール前にクロス。これがDFエマニュエル・ムボラの手に当たって、PKを獲得した。キッカーは本田。落ち着いてゴール右隅に流し込み、1点を返した。

 前半45分には香川の長いスルーパスから長友が左サイドのスペースに飛び出し、ゴール前にクロス。ニアに走り込んだ柿谷はフリーになったが、ヘディングシュートは枠を捉え切れず、前半は1-2と1点ビハインドで折り返した。

 日本は後半開始から柿谷に代えてFW大久保嘉人を投入。大久保はそのまま1トップに入った。ザンビアは後半9分、フェリックス・カトンゴの右CKからクリストファー・カトンゴがヘディングシュート。マークに付いていた遠藤を押しのけ、フリーで合わせたが、ゴール右へ。日本としてはヒヤリとさせられる場面だった。

 後半14分、2人を同時交代。今野と岡崎を下げ、DF森重真人とFW大迫勇也が入った。大迫の1トップで、大久保が右サイドハーフに移ると、森重は右のCBに入り、吉田が左のCBにスライドした。同22分には内田に代えてDF酒井宏樹を投入。内田は故障から復帰後、フル出場しないまま本番を迎えることになった。

 流れの中で香川が右サイドに移り、大久保が左サイドに回るなど、何とか攻撃の糸口を見い出したい日本だが、引いて守り始めたザンビアのディフェンスをこじ開けられない。決定機をつくれないまま時間だけが過ぎていったが、後半28分、ついに同点に追いついた。

 遠藤からのサイドチェンジを左サイドで受けた香川がファーストタッチで中に切れ込み、ゴール前にクロスを入れると、これがそのままゴールネットを揺らした。大久保のポジショニングがおとりとなり、GKも反応できず。2-2と試合を振り出しに戻し、さらに2分後の後半30分だ。オーバーラップしてきた森重がPA内右で鋭い切り返しを見せ、DFをかわしてゴール前にクロス。これを本田がスライディングシュートで押し込み、3-2と逆転に成功した。

 日本は後半33分、香川に代えてFW齋藤学を投入し、5枚目のカードを切った。後半44分、MFルバンボ・ムソンダのミドルシュートが山口の足に当たってコースが変わり、同点ゴールを決められた日本。3-3と追いつかれたが、後半アディショナルタイム、遠藤と交代で入ったばかりのMF青山敏弘のロングフィードからDFラインの背後を取った大久保が左足でシュート。劇的な決勝点を決め、4-3で競り勝った。

(取材・文 西山紘平)

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