beacon

[MOM1058]京都橘MF大野挙弥(3年)_京都予選MVP級の活躍見せたサイドMFが決勝弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.8 全国高校総体京都府予選決勝 京都橘高 1-0 立命館宇治高 西京極陸上]

 チームを全国に導いたのは「今大会、一番効いていたと思う」と主将のDF林大樹が評するMF大野挙弥(3年)の一撃だった。

 スピードに乗った突破でサイドを切り裂き、「コネコネしたプレーよりも打ち切って終わりたい」と話すように思い切りの良いシュートが持ち味のアタッカーだが、これまではAチームに絡めず。昨年度の高校選手権でも大会登録の25人にも入れなかったため、ベスト4に進出したDF倉本光太郎、MF志知大輝、FW中野克哉らの活躍をスタンドから「複雑な気持ちはあったけど、応援するからにはしっかり全国で優勝して欲しい」と葛藤を抱えながら、見守った。

 しかし、最終学年を迎えた今年は「2年の頃よりはプレーに手応えを感じている。3年になって最高学年としての自覚も持って、自分がやらなければという思いが強くなった。自分のストロングポイントを活かしていかないとダメと思うようになった。ゴールに繋がるようなプレーがしたい」と自らの持ち味を出せるように練習から意識づけを行った。

 DF林が「3月の大会まではそこまではなかった」と証言したように、変化はすぐに表れなかったが、日を追う事に着実に成長を続け、「リーグ戦とトーナメントではやっぱり気持ちが違う。負けられない戦いが続くし、応援してくれる皆の思いを背負っているので勝たなければいけない」という今大会は成長を印象付けるかのように、大会初戦となった桂高戦から持ち味を最大限に発揮し、攻撃を牽引。全国進出へあと一歩まで迫ったこの日の試合でも、立ち上がりから続けざまにチャンスを演出した。前半10分にFW中野、岩崎悠人と中央をパスワークで崩して、運んだボールを思いっ切り良くPA右からシュートし、決勝点となるゴールを奪うと、以降も積極的なドリブル突破で、チャンスを演出。試合終了間際に後方からのロングフィードを受けると、右サイドからゴール前に切れ込み、あわやの場面を作るなど、最後までゴールへの意識を保ち続けた。

「ムード作りが得意なので、試合中も声を出して後押しをしたい」と苦しい時間帯に声でチームを盛り上げたように、チームへの貢献は攻撃面だけではない。「橘はサイドMFが守備をサボると後ろの選手がきついけど、言わなくても、しっかり守ってくれるので助かっている」(林)と俊足を活かし、守備のサポートに走る場面も多く、今大会のMVPとも言える活躍を続けた。

「中学時代から気合いとか根性を大切にして、サッカーをやっていた。高校に入ってからも下のチームだったので、走りの練習が多く、熱い夏でも戦える自信はある」と口にしたように視線はすでに全国総体。目標とする「日本一」を目指し、全国の舞台でも果敢に仕掛けていく。

(取材・文 森田将義)

▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2014

TOP