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[MOM1060]星稜FW森山泰希(3年)_名門の10番後継者が全国決める2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.9 全国高校総体石川県予選決勝 星稜高 2-0 遊学館高 金沢市民]

「ゲームを決めるべきところできっちりと決めてくれた」。星稜高の河崎護監督はこの試合のマン・オッブ・ザ・マッチについて、迷うことなく2得点の10番FW森山泰希(3年)の名を挙げた。星稜にとっては、プリンスリーグ北信越8戦わずか1敗で3位につける遊学館高相手にもっと苦しんでもおかしくない試合だった。ただ、チームが得点を求めている時間帯でエースが2得点。森山の得点力が相手との差を生み出した。

 まずは0-0のまま前半が終了するかと思われていた28分、森山は中央突破したMF阿部雅志のスルーパスで抜け出すと「GKとの距離がなかったので、ファーストタッチしたら取られると思って、トゥーキックで狙った」と頭脳的なシュート。GKのタイミングを外して放った一撃が貴重な先制点となった。河崎監督も「前半残り何分かというところ。いい時間帯に取ってくれた」と目を細めた一撃でチームにリードをもたらすと、さらに追加点の欲しかった後半18分にはMF杉原啓太(3年)のループシュートがクロスバーを叩いた跳ね返りを完ぺきなポジショニングから1タッチでゴールへ押し込んだ。

 昨年、国立決勝でもゴールを決めているストライカー。ただ、「全然。もっとできたと思う。決勝で交代させられたのは悔しい」と本人は全く満足をしていない。そのFWは今年、名門の背番号10を背負うことになった。「(ミランの)本田(圭佑)さんや(昨年の主将で現中央大の)寺村(介)さんがつけてきた10番。この重みをいい方向で受け止めて、チームの先頭に立って引っ張っていけるようにしたい」と意気込む。憧れはイングランド代表FWウェイン・ルーニー。ボールをより正確に収めてチームの攻撃の流れを良くするなど課題を改善して「守備もできて、ゲームも作れて、点も取れる。なんでもできるFWになりたい」という理想像に近づいていくつもりだ。

 プリンスリーグ北信越で1試合平均6得点をたたき出してきた攻撃力は今年の強み。「今年の星稜に注目して欲しい。星稜の得点力、攻撃力に注目してほしい。2冠取ります」。10番を背に名門を引っ張る意欲を見せるFWが、今後も大事な場面でゴールを奪い、全国準優勝だった昨年越えを果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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