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自身初の世界大会に臨む大迫「今までの悔しさをぶつけたい」

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 自身初の世界大会を前にしても平常心を貫いている。日本代表FW大迫勇也は普段どおり淡々と、時に笑顔をまぜながら報道陣の取材に応じた。

 FW柿谷曜一朗、FW大久保嘉人とのポジション争いを続けてきた。一つしかない1トップのポジション。「タイプも違うし、みんなやるべきことをやっている。最後は監督が選ぶことなので。だれが出ても、FWにたくさんチャンスが来ると思うし、そのチャンスをみんなで決めていければいいと思う」。達観したかのようなコメントは、やれるだけの準備はすべてやってきた自負があるからだろう。

 “世界”とはこれまで縁がなかった。07年のU-17W杯、12年のロンドン五輪と、いずれも最終メンバーから落選。年代別の世界大会をことごとく逃してきたストライカーが、フル代表のW杯という最高峰の舞台で“世界デビュー”する。

「今までいろいろ悔しい思いをしてきたから、こういう舞台で今までの悔しさをぶつけたい。すごく楽しみですね」。過去の苦い経験も糧にして成長してきた。鹿島で、1860ミュンヘンで、そして日本代表で、ゴールという結果を出し続けることでブラジルにたどり着いた。

 だからこそ、ゴールへのこだわりは人一倍強い。「ゴールというのは一つの仕事だし、一番求められるところ。90分を通して常に狙わないといけないポジション」。難しいことは考えない。目の前の試合に集中し、貪欲にゴールを目指す。たとえそれがベンチスタートであっても、やることは変わらない。

「1試合1試合、目の前の試合でがんばるだけ。これまでもずっと、目の前の試合で点を取ることを目標にしてきた。まず初戦が大事。何分出るか分からないけど、その中で結果を残したい」

 先発デビューとなった昨年7月25日の東アジア杯・オーストラリア戦(3-2)で2ゴール。昨年11月16日のオランダ戦(2-2)では、日本代表として対オランダ戦初ゴールを奪った。過去の国際Aマッチで奪った3ゴールはいずれも記憶に残るものばかり。今度はW杯という大舞台で、その得点感覚と決定力を発揮する。

(取材・文 西山紘平)

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