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[Fリーグ]フェアプレーとは何か? 大分・伊藤監督がフェアプレー規律委員会から罰せられる

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 Fリーグのバサジィ大分は17日、伊藤雅範監督がFリーグ規律フェアプレー委員会から、2試合ベンチ入り停止の処分を受けたことを発表した。

 大分の公式HPによると、処分に該当したのはオーシャン杯の準々決勝・大分vs町田の試合。処分理由については「『チーム又は選手等による著しい違反行為』に該当する」と記されている。ただし、具体的に、どの行為が問題だったかは明記されておらず、『本規程に該当条文がない場合で、チーム又は選手等が基本規程及び本規定の趣旨に明らかに反すると判断される行為を行った場合、当該チーム又は選手等に対して、本規程第4条に定める各懲罰のうちから適切と判断される懲罰を科すことができる』とのみ記されている。

 おそらく、処分対象となったのは0-0で迎えた前半14分に起きた町田FP永島俊の退場が発端だろう。永島は反スポーツ行為をしたとして、2度目の警告を受けて退場となった。だが、町田と大分の両チームともに、何が反スポーツ行為に該当したのかが分からず、審判団に質問しても納得のできる答えは返ってこなかった。そのため、大分は町田が選手を補充できるまでの2分間、後方でボールを回し続けた。この行為に対して、スタンドの大部分からは拍手が起こっていた。その後、前半は0-0で終わり、後半に2点を挙げた町田が2-1で勝利している。

 2013-14シーズンのサッカーブンデスリーガでは、日本代表MF清武弘嗣とMF長谷部誠の所属するニュルンベルクとブレーメンが対戦。0-0の前半17分にドリブルをした清武に対して、相手選手がタックル。ボールはゴールラインを割り、主審はCKを指示した。しかし、相手選手が抗議すると、清武もラストタッチは自分であったと認め、試合はゴールキックから再開される。さらに、その試合の後半30分には、2点をリードしていたブレーメンが、ニュルンベルクの選手に倒されてPKを獲得した。しかし、倒れたブレーメンの選手は、実際には足がかかっていなかったと主審に申告。PKは取り消されている。

 この2つの行為に対してブンデスリーガは公式HPで特集を組み、『これが真のスポーツマンシップだ!』と賛辞を送っている。

 一方、Fリーグは大分vs町田戦の数日後、両チームに対し『あのジャッジは審判のミスだった』という連絡を入れておきながら、今回、伊藤監督に処分を下すこととした。もちろん、審判の決定は最終決定であり尊重されるべきだ。選手たちが自分たちでゲームを進めるようなことが横行しないようにという措置かもしれないが、あらためて2試合出場停止という極めて重い処分を下す必要はあったのだろうか。

 大分は代々木セントラル2日目の28日(土)に神戸戦、29日(日)に浜松戦を行うが、2試合のベンチ入り停止処分を受けた伊藤監督は、代々木セントラルの2試合とも、ピッチに立てないことになった。

 フェアプレーとは何か。シーズン開幕を2週間後に控え、あらためて考えたい。

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