beacon

[MOM1071]習志野MF木村拓麻(3年)_1G1A!流経大柏撃破の立て役者

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.21 全国高校総体千葉県予選準決勝 習志野高 2-1 流通経済大柏高 東総]

「(流通経済大柏に対し)『逃げないで前を向け』と言われていた。オレが前向いてやらないといけないと思っていた」。習志野高の10番MF木村拓麻(3年)が先制ゴールを決めたのに加え、決勝点アシストもする大活躍。全国屈指の実力、戦力を備える流通経済大柏高撃破の立て役者となった。

 とにかく前へ向いて、DF間にわずかな隙でもあれば強引に身体をねじ込んで突破しようとした。そして「ボールに関わらないと不安」と笑ったMFは守備面でも驚くほどの回数ボールサイドへ出没し、相手に強烈なプレッシャーをかけていく。決してスピードも飛び抜けた体力を持っている訳でもなく、コンタクトで抜群の力を発揮する訳でもない。それでも「ボールを追いかけてやろう」とひたすら走り続けた10番が強敵のリズムを崩していた。

 そして決定的な仕事をする攻撃センスと勝負強さがチームを全国へ導く。後半3分、右FKをファーサイドでFW小林尚也が頭で折り返すと、右サイドからゴール前へ飛び込んだ木村が貴重な先制ゴール。右手を突き上げてゴールを喜んだ木村はさらに28分、左サイドをタイミング良く抜け出すと、シュートモーションのような足の振りから「(小林)尚也が来るのが分かっていた」とGK、ディフェンスラインの間へ絶妙なラストパスを入れる。これに身体を投げ出して飛び込んだ小林が2点目のゴールを押し込んだ。今月、エースFW串間竜弥が骨折。それまで7番をつけていた木村が10番を背負って総体予選に臨むことになった。「アイツの分もと思った」と思いをピッチでぶつけ、走り切ったMFが、全国では復帰する可能性の高い串間やチームメートに全国切符をプレゼントした。

 習志野入学後初めてとなる全国大会へ向けて「凄く楽しみ。やれる自信はあります。全国で活躍できるように頑張る」。「流経撃破」のヒーローは全国でも注目される存在となるだろう。厳しくマークを受けることが予想されるが前を向き、走り続けて伝統校・習志野に多くの白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2014

TOP