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[総体]FW転向からわずか2か月、習志野FW小林が流経大柏から決勝点

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[6.21 全国高校総体千葉県予選準決勝 習志野高 2-1 流通経済大柏高 東総]

 Bチームから現れた努力の新星が全国大会出場を懸けた準決勝で輝いた。習志野高小林尚也(3年)は今春までBチームにいたという185cmの大型FW。4月に転向するまでCBだったという小林はコンバート当初、「戸惑っていたし、(チームメートからも)『ないんじゃないの?』と言われていた」という。ただ「CBの時から攻めるのは嫌いじゃなかった」という小林はBチームが参戦している千葉県2部リーグでの活躍によって、信頼を勝ち取り、今大会は貴重な戦力のひとりとして躍動している。

 周囲がその態度について「マジメ」と口を揃える小林はプレミアリーグ勢の流通経済大柏高戦でその高さと得点力を発揮した。0-0の後半開始から投入された小林は3分、右CKに対して4人が跳躍した中で一際打点の高いヘッドで合わせて中央へ折り返す。これに逆サイドから飛び込んだMF木村拓麻がゴールへ押し込んで先制点が生まれた。FW転向後から取り組んできたという右足FKでゴールマウスをかすめるような惜しい一撃も放った小林は28分、左サイドを抜け出した木村のラストパスに身体ごと飛び込んで決勝点となるゴール。FW転向後わずか数か月の小林が全国を懸けた大一番で、それも流経大柏から決勝ゴールを決めてチームを勝利へと導いた。

 待ちに待った出場機会を得て、躍動する小林にはもうひとつモチベーションとなる出来事があった。FC習志野時代からのチームメートであるエースFW串間竜弥の手首骨折だ。「アイツが怪我したときに全国に一緒に出ようと約束していた」。だからこそ自らのゴールで決めた全国大会出場を「約束果たせて良かった」と喜ぶ。

 砂金伸監督は準決勝終了後、全国大会の登録メンバーについては今回応援席にいた選手たちにもチャンスがあると語った。Bチームから這い上がり、控え選手たちに勇気を与えた小林は今後、彼らとともにトレーニングをひたむきに行い、さらに進化して全国のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)

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