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[総体]山梨学院が目標の「奪冠」果たし、山梨第1代表として地元開催の全国へ

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[6.22 全国高校総体山梨県予選決勝 山梨学院高 1-0 帝京三高 中銀ス]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)山梨県予選は22日、決勝を行い、山梨学院高帝京三高に1-0で勝利。3年ぶり4回目の優勝を果たした。決勝を戦った山梨学院と帝京三は8月2日に開幕(8月1日開会式)する全国総体に出場する。

「奪冠」をテーマに戦ってきた山梨学院がタイトルを奪い返した。09年度全国高校選手権優勝、10年度同8強という結果を残し、激戦区・プリンスリーグ関東で奮闘するなど全国区の強豪として認められつつあった山梨学院。だが11年度の高校選手権を最後に総体、選手権の全国舞台からは遠ざかっていた。その中で迎えた今大会、前日の準決勝を制した時点で全国大会出場を決めていたが、右SB山中登士郎主将(3年)が「山梨チャンピオンになって全国へ行くという気持ちがあった」というように選手たちは「絶対に勝って優勝する」という思いで決勝を戦い、勝ち切った。

 試合は連戦の影響もあり、本来のボールを握って攻めるスタイルではなく守りを固める選択をした帝京三を山梨学院がボールを握って攻め立てる展開となった。3分にMF伊藤大祐(3年)の右クロスから中央でフリーの大型FW原拓人(3年)がヘディングシュート。12分にはFW小川雄大(3年)の右足ミドルがゴールを捉える。さらに18分にはCB渡辺剛(3年)からの縦パスを受けた伊藤が右足を振りぬく。そして24分には左サイドからカットインした小川が強烈な右足シュート。だが立ち上がりから好セーブを見せていた帝京三GK尾崎翔大(2年)がこのシーンも阻止して得点を許さない。

 帝京三は前への強さを発揮していたCB佐藤康二郎主将(3年)とCB山下直希(2年)のコンビが奮闘。また相良和弘監督が「2年生の両SBが良くやっていた」と振り返ったように右SB三井貴耀と左SB穂坂勇希(ともに2年)の2人が山梨学院のサイド攻撃に食らいつく。攻撃面では全体的に前に出る力を発揮できなかったが、それでも昨年度の全国高校選手権を経験しているMF土屋守(3年)が独力で左サイドを打開してクロスへ持ち込むなど反撃する。一方の山梨学院は高さに加え、カバーリングの意識が非常に高かった渡辺をはじめ、CB大野佑哉、GK古屋俊樹(3年)の3人を中心とした守りが鉄壁。ただ、攻撃面では小川や伊藤が個人技で打開し、ボランチの位置から飛び出したMF大場祐樹(3年)がチャンスに絡むシーンもあったが、ゴール前で堅い帝京三を攻めあぐね、内容的に納得のいかない前半となってしまった。

 後半、横森巧総監督の「もっと落ち着いて、中盤から外へ攻めろ」という指示でサイド攻撃を繰り出す山梨学院は、豊富な運動量を持つMF福森勇太(3年)と伊藤の両サイドアタッカーたちからクロスを連発。3分に右クロスを原が頭で合わせると、5分にはセットプレーの流れからPAの渡辺が競り勝ち、最後は福森が頭で押し込もうとする。だが帝京三GK尾崎が再びファインセーブ。山梨学院は16分にも右FKのこぼれ球に福森が決定的な形で反応したが、シュートが枠を外れて先制することができない。
 
 逆に帝京三は20分、相手のビルドアップのミスを突いたFW村上光樹(2年)が右足シュート。26分にはFW丁佑太郎(3年)が獲得した右FKから土屋が放った左足シュートがゴールを捉えた。「こういう(守備を)キチッとやることもできる。(課題は)ここからどう点を取るか」と相良監督。昨年から主力のCB平川瑞稀(3年)が怪我で不在の中、全国大会も想定した守備が成果を出した帝京三だったが、試合を制したのは山梨学院だった。
 
 後半30分、右サイドでこぼれ球を収めた小川が左足を振りぬくと、強烈な一撃はDFに当たりながらもそのままゴール左隅へ。待望の先制点に沸いた山梨学院に対し、帝京三も交代出場のFW谷戸捺希(2年)が軸となって反撃を試みる。相手をPAまで押し返していた帝京三だったが、渡辺中心に全国クラスと言える山梨学院の守備をこじ開けることはできなかった。

 地元開催の全国総体に山梨第1代表として出場することが決まった山梨学院の渡辺は「あまりシュートを打たれていないし、危ないシーンもなかった。最近は上手く連係も取れているし、今は点を取られる気がしないです」と自信を見せる。目標は日本一だけだ。昨年は部内の暴力事件が発覚し、総体は出場停止。そこからチームを強化することはもちろん、自分たちの日常から見つめ直してきた。山中は「日常からしっかり行こうというのはチームの目標としてある。ピッチ外をしっかりとやらないと結果が出ない。そこが欠けたら勝てないという思いがある」。

 この日も1年生が試合開始よりも遥かに早く会場を訪れて清掃活動を行っていたというが、この日入院中の吉永一明監督に代わって監督代行を務めた湯浅征二郎コーチはそのチームについて、「日常が凄くしっかりしている。寮でも規律をしっかりと守っている。生活がガラリと変わった。(試合に)勝つ要素も持っていると思います」と語っていた。勝てば全国大会出場の決まる準決勝では前日20日に盲腸炎で緊急入院した指揮官不在の中、「監督にいい報告をしなければいけない」(山中)とチーム一丸となって名門・韮崎高に5-0で快勝。逆境を乗り越え、チームとしての力もついてきている。

 選手たちから全国切符と県タイトルをプレゼントされた吉永監督は全国大会へ向けて「最終日まで残ることで運営の方々もやりがいがあると思う。出る以上それは義務だと思うし、それが地元の人にできる(感謝を表現する)唯一の手段。日本一へのチャレンジ。そこのスタートラインに立って挑戦することができる。地元である以上、それはどのチームよりも強くなければいけない」。3年ぶりに全国へ“復帰”する山梨学院が「地元のために」日本一へ挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)

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