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[MOM1074]麻布大附FW阿部速秀(3年)_強力カルテットのキーマン、最前線の“心臓”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.23 全国高校総体神奈川県決勝 向上高 1-3 麻布大附高 横須賀リーフ]

 麻布大附高の最前線にいる“心臓”だ。FW阿部速秀主将(3年)は前線、トップ下に並ぶFW竿下征也、MF塚越亮、MF中山克広とともに昨年からのレギュラーとして、また鮮やかな崩しでチャンスを連発する攻撃の4本柱として“強力カルテット”を形成。自由にプレーすることも認められている他のアタッカーたちを抜群の運動量でサポートしつつ、連動した崩しから決定的な仕事をしてのける。安彦篤監督も「アイツの献身的な動きは目立たないかもしれない。でも“心臓部”ですよ」と欠かせない存在であることを説明する。

 その阿部は桐蔭学園高との準決勝で先制PKを決め、全国大会出場決定に貢献すると、この日はゴール、アシストでチームを優勝へ導いた。まずは前半6分、塚越のスルーパスで抜け出した竿下が足裏でスイッチ。「3人目の動きをいつも意識している」と左後方から角度をつけて走りこんできた阿部がDFを置き去りにしてGKと1対1となると、そのまま右足で先制ゴールを流し込んだ。2点目の崩しや後半の決定機にも絡んだ阿部は後半33分、楔のパスをコントロールしてから、素早くスルーパスを通して竿下のゴールをアシストした。

「日藤(日大藤沢)や厚木北戦もチャンスがあったのに点が取れず、チームに助けてもらってばかりだった。何としても結果が欲しかった」という阿部。どちらかというと奔放な印象の塚越や竿下をしっかりと支え、カバーすることがチームのためにも必要と理解し、走り、奮闘している。そのポストプレーの質の高さも重要な攻撃のポイント。一方で結果へのこだわりは常に持っているだけに、この2試合で決めたゴールは全国大会へ向け、阿部にとっても大きな弾みになった。

「守備の選手たちも頑張ってくれているので取り上げてほしい。彼らがいっぱい頑張ってくれている」と守備陣への強い感謝も忘れずにプレーする主将。時に熱くなりすぎて周りが見えなくなることもあるようだが、「(好きな選手はウルグアイ代表のルイス・)スアレスですね。『THE FW』じゃないですか。きょうも、きのうもyoutubeで見てきた」というFWは全国大会へ向けて「自分は体を張ること。あとは(決定的なラストパスを)持ってきてくれる。それを落ち着いて決めたい」と全国でも走り、ゴールを連発することを誓った。

(取材・文 吉田太郎)

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