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[総体]選手層の厚さ増し、勝ち方思い出した京都橘が2点差逆転!近畿選手権初優勝!!

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[6.23 近畿高校選手権決勝 立命館宇治高 2-4 京都橘高]

 第67回近畿高等学校サッカー選手権大会は23日に決勝戦が行なわれ、立命館宇治高に4-2で勝利した京都橘高が初優勝を飾った。

 近畿大会は2府4県から、全国高校総体予選大会の上位16チーム(内訳は大阪府から4チーム、兵庫県と京都府から3チーム、それ以外の各県から2チーム)が参加して行なわれる大会だ。決勝戦は奇しくも、2週間前に行なわれた京都府予選の決勝と同じカードとなった。

 先制したのはリベンジに燃える立命館宇治。30分、スルーパスに反応したFW石井太久麿(2年)が最終ラインの裏を突いてネットを揺らした。後半もボールを動かして相手ゴールに迫る立命館宇治は12分に右サイドの攻撃から、最後は交代出場のFW溝口高弘(2年)が豪快なシュートを叩き込んでリードを広げる。今大会は初戦でキャプテンのFW徳地広大(3年)が負傷離脱したが、代わって出場機会をつかんだ2年生FWの2人が決勝戦でも躍動。守備でもプレスがはまってピンチを最小限に抑えるなど、「2-0までは完璧な試合だった」(梁相弘監督)。

 だが、京都橘も黙ってはいない。3日で4試合という過密日程も影響した前半をDFハウザー・ケン(3年)は「チームとして足が動いていなかった」と振り返ったが、2失点したことで目が覚めた。15分、日本高校選抜FW中野克哉(3年)がまず1点を返すと、18分にはCKからのこぼれ球をDF清水遼太(3年)が押し込んで、あっという間に同点に追いつく。

「2点リードした直後に1点を返されて、攻めるのか守るのかハッキリしなかった」(DF大木崚平(3年))という立命館宇治を尻目に、京都橘は延長戦に入っても勢いが止まらない。延長前半1分には再び中野が決めて逆転に成功。延長後半5分には右サイドを突破した大野挙弥(3年)が右足を振りぬくファインゴールでトドメを刺した。

 これまでは先制点を奪って試合を優位に進める勝ちパターンが多かっただけに、米澤一成監督も「2点差をひっくり返すイメージはあまりない。そういうことができるようになったのは成長を感じる」とチームを称えている。プレミアリーグでは開幕から5連敗と苦しんだが、総体予選や近畿大会を通じて、勝ち方を思い出したのは前向きな材料だ。過密日程も「総体でも日程は厳しい。そこは意識させた」(米澤監督)といい経験になったようだ。

 今大会、京都橘は3年生主体のチームで挑んでいる。GKは今季、第2GKを務める田中智也(2年)に経験を積ませるために2年生を起用したが、それ以外は全て3年生。普段はメンバー入りしている1・2年生は今回、応援や裏方に回った。DF小川礼太(2年)もその一人だ。決勝戦は設営作業などのために、13時半キックオフのところを朝9時に会場へ集合したが「いつも、みんながやってくれていることですからね。それに3年生ががんばってる姿を見て、試合への欲求が高まりました」と、いつもとは違う立ち位置で新たな刺激を受けた様子だった。

 近畿大会は強化のための大会とあって、チームによってモチベーションにばらつきがあるのは事実だが、京都橘は優勝という結果と同時に、今後へ向けての好材料も得ることができた。それを生かすも殺すも、自分たち次第。まずは6月29日に再開するプレミアリーグで初勝利を目指す。

(取材・文 雨堤俊祐)

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