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[Fリーグ]すみだvs大阪 試合後の監督、主将コメント

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[6.27 Fリーグ2014/15 第2節 すみだ1-2大阪 代々木]

 Fリーグ2014/15は27日に開幕し、第3試合ではフウガドールすみだシュライカー大阪が対戦した。試合は1-1で迎えた後半18分、パワープレーに出た大阪がFP松宮充義のゴールで1点をリードし、そのまま2-1で勝利した。試合後、両チームの監督と選手が会見に出席した。両監督のパワープレーに対する考え方の違いが浮き彫りになり、興味深い会見となった。

▽フウガドールすみだ
●須賀雄大監督
「まず、試合の話の前にここまでくるにあたって、本当にいろんな方のご支援がありました。それに対して、とにかく感謝の気持ちを持って戦いました。本当にありがとうございます。そんな、みなさんの想いが詰まった試合だったと思ったので、勝ち点3を取りたかったのですが、結果として負けてしまったという試合になりました。基本的には、今日、私たちは勝利はもちろん狙うのですが、フウガらしい試合をするっていうことを絶対に譲らないでやろうというふうに話して試合に入ったのですが、それは本当に自分たちの中での主観的な考えなので、他の人から見てどうかは分かりませんが、いま、単純に試合が終わってみて、負けてしまいましたが、フウガらしい試合が、僕はできたと思います。ということは、選手はしっかりやることをやってくれたと思うので、勝ち点3を取れなかったのは、残りの監督の部分だと思っています。ただ、これからあと32試合あるので、そこに向けて、どれだけチームとしてレベルアップできるかが大事だと思うので。敗戦を受け止めつつも、すべてが悪かったわけではないので、日曜日もフウガらしい試合をする。そして、勝ち点3を取ることを目標にしてやっていきたいと思います」

――オーシャンズ杯の湘南戦に続き、パワープレーからの失点だが?
「湘南戦のときとは、ちょっと状況が違います。あの頃はパワープレーのディフェンスっていう部分に、割く時間があまりなくて、発展途上ということでした。ある程度、新規加入選手と、既存の選手で意識が合わなかったりして失点してしまった。今回は、当然かなりの時間を対策に立てて来たので。そこに関しては、それでうまくいかなかった部分に関しては、当然、監督の責任だと思います。ただ、パワープレーっていうのは、相手も当然リスクを掛けてきているので。その一つ前のシーンの跳ね返りが、逆にマイボールになって、ゴールががら空きの状況でシュートが決まったら、うちがリードできていました。そういうリスクを相手が背負ってきたこと。それが、すべてだったと思うので、そんなに悲観はしていないです」

――フウガらしい試合とは?
「まずフウガらしさっていうのは、一つではないので、ここで言い切れる話ではないのかもしれないですが、とにかく僕たちはチームで戦うことを意識してやっています。1点は全員の1点ですし、それがベンチにいるメンバーの1点でもありますし。逆にベンチ外のメンバーの1点でもあります。逆に1失点も同じことだと思うんですよね。そういう部分で、全員が同じだけの責任を背負って戦っていく。逆にいえば良い時も悪いときも、全員みんなのせいだ、みんなのおかげだっていう気持ちでやっていくスタイルが、フウガらしさだと思っています。その中で、今日も見せられたと思うのですが、とにかくゴールに向かっていく姿勢っていう部分。この20×40の狭いコートのスポーツで、どれだけゴールに迫れるかがお客さんが楽しんでいるところだと思うので。それをどんどん追求して、逆にそのせいでカウンターも浴びてしまいますけど、それもみんなで頑張って戻って、切り替えゼロ秒で。それを繰り返していく。それこそが今、フットサルを見ている人が、一番見たいのではないかと思っているので、それがフウガらしさかなと思って、自分はやっています」

――残り32試合、どこを成長させて戦っていく?
「当然、すべての面でレベルアップをしないといけないのですが、基本的には今日やってみて、何かを変えなければいけないようなことは、あまりないなと思っています。ほんのちょっとしたところを少しずつレベルアップしていけば、間違いなく優勝を狙えるチームになっていくんじゃないかという確信は得たので。一つ何かを変えなければいけないというのではなくて、すべての面で。例えば決定力といえば、一言になりますけど、ただシューターが決めるだけではなくて、どこで枚数をかけて、どういうふうにスピードアップしていくか。そういうところを含めてレベルアップしていかないといけないですし、DFに関しても一歩の正しい位置だったり、相手との駆け引きだったり、オフェンスの1対1と同じようにディフェンスの1対1にも、駆け引きがある。それも上げていかなければいけない。そう考えると、何かということではなくて、試合を追うごとに、必然的に強い相手とやることで磨かれていく部分。間違いなく上がって行くと思うので、総合力を上げて行きたいと思います」

――監督にとって、パワープレーの位置づけは?
「パワープレーに関しては、私はやらないようにしています。今現在のことなので、1年後、5年後はやっているかもしれません。個人的な、自分が1ファンとしては、5対5、FPが4対4っていうところでゴールが決まるということが、自分は楽しいと思っているので。その中で、どれだけリスクを掛けて行くか。4対4でどれだけリスクを掛けて行けるかが面白いと思っているので、パワープレーは、あまり自分の好みではないのでやっていません。選手も、それに同調してくれているので、今のところやる予定はないです」

●FP金川武司主将
「今年のスローガンが『切り替えゼロ秒』ということなので。プレー中もそうなのですが、終わったあとに、もちろん反省することはありますが、すぐに日曜日に試合があるので、選手はすぐに切り替えをして、日曜日に全力でやりたいと思います。監督の言うとおりに、フウガらしさを1試合1試合どこまで出せるかが、シーズンは長いと思いますが、勝敗にかかわってくると思いますので。1試合1試合、日曜日も、今日のように走って、声を出して、フウガらしさ全開で、全力でやりたいと思います」

▽シュライカー大阪
木暮賢一郎監督
「まずは開幕戦、そして、ほぼホームである、そしてFリーグに昇格して非常に期待を背負っているフウガさんに今日、勝利しましたけど、彼らの素晴らしいスピリット、アグレッシブな姿勢を、まず良いゲームができたということで感謝したいと思います。ゲーム内容に関しては、僕らが目指すレベルに関して言えば、まだまだ満足いくものではありませんが、リーグ開幕戦っていうのは、こういうものだと思いますし、1シーズンを通して、常に自分たちのペースで自分たちのやりたいフットサルができるというわけではないと思うので。非常に、いろんな要素の中で、難しいゲームだったと思いますけど、そこでしっかりと勝ち点3を取れたということで、自分たちの選手を称えたいと思います」

――同点の状態で、パワープレーでリスクを賭けた決断をしたのは?
「監督のタイプにもよると思いますけど、自分の哲学としてはパワープレーはフットサルにおいて重要な戦術だと思いますし、セットプレー同様にしっかりと練習すれば、当然一人多い状況でプレーできるので。大阪というチームは、そういったトレーニングをしっかり積んできましたので。外から見たらリスクがあると、当然ゴールを空けるからリスクはありますけど、リスクではなく、よりアグレッシブに、そして苦しい状況をひっくり返す、自分たちのペースにする大きな武器だと捉えています。ですから、迷わず決断しましたし、それを私の選手たちは理解してくれていますので。あの状況でピッチに立った5名っていうのはプレッシャーを感じる中で、自信を持って最初の1プレーでゴールを決めてくれました。練習の成果と、彼らの勇気と、そしてベンチ全員が同じ方向を向いて、誰もリスクと思わずに『当然やるでしょう』という雰囲気をベンチもつくってくれたので、そういうことについては感謝をしています」

――今後、同点の場面でも、またパワープレーをしますか?
「そうですね。オーシャンズ杯の3位決定戦では、残念ながらPK戦に突入してしまいましたけど、湘南戦でも1対1で、あの時はもう少し長い時間でしたけど、残り6分くらいパワープレーをやりました。準決勝の名古屋戦でも、負けている状況で同点ゴールを残り28秒で取ることできましたので。自分の持っているフットサル哲学の一つの柱として、パワープレーっていうのはありますから。もちろん研究されるということもあるかもしれませんが、しっかりと練習してやっていくつもりでいます。まぁ、パワープレーをやらないで勝つことが理想ではありますけどね」

――プレシーズンマッチの結果は良くなかったが、何を修正した?
「監督、スタッフを含めて、プレシーズン当初からしっかりとしたプログラムを組んで開幕戦に向けて練習メニューであったり、選手のフィジカルの管理もしてきました。プレシーズンマッチというのは、なかなかこれだけ多くのメディアも、それも大阪ですと見に来ることはない。あくまで結果だけしか伝わらないので、負けているというスコアだけを見れば『ん?また負けた』と思うかもしれませんが、プレシーズンマッチの試合も見ていただいてプレーの内容を見てもらえば、スコアだけでなく、あくまでリーグ戦でどうできるかというところだと思うので。結果というものに関して、弱冠、選手たちも不安というものはあったかもしれませんが、先週の大分とのプレマッチも、合宿の最終日にやって。ある程度、負荷を掛けた中でのゲームでしたし。その中でできたこと、できなかったこと。そして、どのゲームでもパワープレーっていうのは取り組んで、積極的にプレシーズンでも使ってきました。神戸とのプレマッチでもそうですし、大分とのトレーニングマッチでも取り組んできましたし。先ほどの質問と重なるかもしれませんが、苦しい状況、負けている状況、引き分けている状況で、どうしていくかということに関しては、一貫してトレーニングしてきました。でも、ここまでの予想していた仕上がりと、今日の開幕戦のフウガさんのアグレッシブな姿勢によって、理想とはかけ離れた展開になってしまいました。そこはしっかりとトレーニングして、徐々に良くなっていくと思うので。プレシーズンの結果に関してはネガティブに思っていません。自分たちの、そして私たちの哲学である、しっかりとポゼッションして、アグレッシブな守備をして、結果を出す。ただ、結果を出すだけでなく、見ている人が面白い、そして国内のFリーグの中で勝つだけでなく、世界に通じるフットサルを目指しているので。そこは変わらずに、今後も取り組んで継続していくつもりです」

●FP瀬戸彬仁主将
「すごい良い相手と、今日と明日(名古屋戦)できるので。すごく良い形で、今日は勝てたので。自分たちも疲れとかあると思いますが、それは別にしてチャレンジして、今シーズンは名古屋を倒して優勝するという目標を持ち続けてやると決めているので、それを見せられるように楽しみにしています」
(取材・文 河合拓)
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