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“PK職人”ではなかったPK要員、コスタリカの動揺誘ったオランダのGK交代策

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[7.5 ブラジルW杯準々決勝 オランダ0-0(PK4-3)コスタリカ サルバドル]

 延長後半アディショナルタイム、オランダルイス・ファン・ハール監督は守護神のGKヤスパー・シレッセン(アヤックス)をベンチに下げ、GKティム・クルル(ニューカッスル)をピッチへ送った。試合前から考えていたという交代策。しかし、PK戦直前に投入されたPK要員は、決して“PK職人”ではなかった。

 ニューカッスルでの過去5シーズン、クルルは20回、PKの場面を迎えた。しかし、止めたのはそのうちのわずか2回。昨季は5回あったPKを1本も止めていなかった。PK戦で一度も止めたことがないと言われるシレッセンと比べれば、“まし”という程度。身長はシレッセンよりも6cm高いチーム最長身の193cm。「彼はより長いリーチを持っており、PKを止めることでは他のゴールキーパーよりも良い記録を持っていた」。試合後の記者会見でそう語ったファン・ハール監督だが、奇策は賭けに近かった。

 ただ、そうした過去のデータ以上に、コスタリカに驚きと戸惑いを与える心理的影響が大きかった。決勝トーナメント1回戦でもギリシャをPK戦で下してきたコスタリカはオランダ戦に向けても入念にPKの研究をしてきたはずだ。しかし、それはあくまでシレッセンがゴールを守っている想定だったはず。シレッセンの癖は研究していたかもしれない。しかし、クルルは? コスタリカのベンチに、選手に動揺を与えるという意味では効果的だった。

 逆にクルルは事前にギリシャ戦の映像を見て、コスタリカのPKが頭に入っていた。5本中4本、キッカーに向かってすべて左に飛び、そのうちの2本を止めたのは偶然だろうか。10%だった確率が本番で40%にまで上がったことを「運が良かった」で片づけることはできない。“鬼才”ファン・ハールに導かれるように2度のPKストップを見せたクルル。今大会のオランダは神がかっている。

(取材・文 西山紘平)

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