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[MOM1082]大宮ユースFW里見直樹(3年)_プリンス関東初先発「足下ない」FWが走って、技ありV弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.12 高円宮杯プリンスリーグ関東第8節 大宮ユース 2-1 桐光学園高 東洋大学朝霞キャンパスG]

 クラブユース選手権予選では先発を経験していたが、この試合が高校3年生にしてプリンスリーグ関東初先発。「(緊張で)試合前は足がガクガクしていた」と振り返る大宮アルディージャユースFW里見直樹(3年)だが、その運動量でチームをけん引し、決勝ゴールも決めて勝利の立て役者となった。

 緊張はしていたものの、「いつもは途中出場。(U-16日本代表の)松崎が怪我で出られなかったから(先発出場)ですけど、自分は大チャンスだと思っていた。モチベーションはいつも以上だった」という里見は序盤から持ち味の強さと運動量、守備面での頑張りを出していく。10分には抜け出してPAでDFと接触。PKの判定にはならなかったものの、「あれでリラックスできた」と、上手いことをするのではなく、より自分の役割を果たすためことに集中し、ひたむきにボールを追い続けていく。

 そして1-0の前半39分、「足下がない。攻撃センスはあまり『ない』です」と笑うFWが鮮やかなゴールを決める。FW小柏剛が左サイドから中央へ切れ込みながら出したパスを受けに入ったFW川田拳登とアイコンタクト。川田がスルーしたボールを「思いのほか上手くいった」という絶妙なタッチで縦へ割って入った里見は「(飛び出してきた)GKの身体が(自分の左側に)残っているのが分かった」と脇を抜く技ありの左足シュートを決めて2-0とした。

 毎試合のように試合を決める選手ではないかもしれない。それでも伊藤彰監督が「頑張れる選手。チームにとって有益なものをもたらしてくれる」と厚い信頼を置くFWは「常に試合に出たい。出たら、どの試合でも1点でも取れたい」という思いをピッチでぶつけ、2試合勝利がなく、けが人も多かったチームを救った。そして決勝点を決めてヒーローになった。ただ今後もその姿勢を変えることはない。「チーム全員が優勝するぞというベクトルを同じ方向へ向けて勝っていけたらいい」。自分が持っている力と戦う姿勢を全力でチームのために発揮し続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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