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[MOM1083]JFAアカデミー福島MF瀬川泰樹(3年)_攻撃的ボランチが流経大柏沈める活躍

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.13 高円宮杯プレミアリーグEAST第8節 流通経済大柏高 1-3 JFAアカデミー福島 流通経済大柏高G]

 課題を指摘され、先発落ちも経験したMFが流経大柏撃破の立て役者となった。JFAアカデミー福島U18のMF瀬川泰樹(3年)は後半開始20秒に先制の右足ミドル。立ち上がりにボランチの位置からバイタルエリアに入ってきたMFがいきなり大仕事をした。「蹴った瞬間、来たかなと思った。でもあんなにいいシュートがいくとは思わなかった」という一撃で先制点をもたらすと、その後も守備的なMF浅見貫太のサポートを受けながら攻撃に絡んでいく。そして1-1の後半22分には「ああいうプレーが得意。CBが食いついてきていた。“まぐれ”だったけれど、狙い通り」という絶妙なループパスをCBの背後へ落とす。これに走りこんだFW延祐太が決めて勝ち越し。瀬川は後半30分のダメ押しゴールのシーンもGKのキックをインターセプトして起点となり、全3得点に絡む活躍だった。

 チームの勝利に大きく貢献した瀬川だったが、この春はボランチとしてプレーを厳しくダメ出しされていた。中田康人監督から「ボランチとして守備も攻撃もできていない」ことを指摘された。奪われないことを重視するあまり、後ろ向きのパスが増え、前向きなプレーができていなかった。守備も期待に応えられず、“どっちつかず”のプレー。だが、ベンチから見たクラブユース選手権予選でチームメートのボランチが前に絡むことでパスコースは増え、ボールはより動くようになっていることに気づかされた。先発復帰後は守備的な浅見にある程度守備は任せて攻撃面を重視。「監督から前へ、前へと言われている」と前向きにボールに絡んで、攻撃に流れをつくり出し、試合を決める仕事もした。

 スペイン代表MFイニエスタが憧れというMFは「運動量をできるだけ上げるように心がけている。攻撃でも守備でもチームの中心として動けるようになりたい。そして最後まで走り切れるようになること」。昨年の優勝チームからの勝利で自信を深めたチームとともに自身も成長させていく。

(取材・文 吉田太郎)

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