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長野、奇襲成功も勝利届かず…“凱旋弾”の佐藤「絶対勝ちたかった」

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[7.13 天皇杯2回戦 千葉3-2長野 フクアリ]

 奇襲は成功した。普段、3-4-3を基本システムとするAC長野パルセイロだが、この日は5バック気味の3-5-2で臨んだ。敵将・関塚隆監督も「苦戦したポイント」と指摘したように、前半は格上の千葉相手に2-1と1点リードで折り返した。

 キープレーヤーはFW佐藤悠希だった。普段は3トップの左を主戦場とするが、この日は中央3枚の右でプレー。「今週1週間、練習でやった」程度の布陣だったが、先制を許した直後の前半11分、FW勝又慶典のインターセプトからチャンスを作ると、背番号7は素早くゴール前に走り込む。「いつもとシステムが変わって、中盤の3枚でボールを動かせればいいなという話をしていて、狙い通りにそれが出来た。すごくやりやすかったですし、ボールを引き出す動きができたのかなと思います」。迷わず左足を振り抜くと、豪快なシュートがゴールネットを揺らした。

 ただ後半はやや運動量が落ちたこともあり、千葉の反撃に遭ってしまう。守勢に回ったチームは逆転負け。「選手の距離間も変わってしまった。前半、動けていた時に比べれば、(走りの)質も量も減ったかなと思います。単純にフィジカルが足りなかった。あとは同点に追いつかれて、点を取りに行かなければいけなくなって、そこで自分がやるべきことを整理できなかった。守りに入らないようにみんなで声をかけてやっていたのですが、自分たちの気付かないところで、どこかこのまま行けば勝てるというメンタルがあったのかなと思います」。一瞬の油断、心の隙をJ2クラブは見逃してはくれなかった。

 佐藤にはこの一戦にかける特別な思いがあった。2010年、佐藤は関西大から千葉の下部チームのジェフユナイテッド市原・千葉リザーブズに入団。「ジェフリザーブズに入った時はトップに上がって、ここで黄色のユニフォームを着てプレーするのが夢だった。絶対勝ちたかったですし、活躍して、勝ちたいというのがあった」。夢にまで見たフクアリでのゴール。ただ「得点できたのはよかった」と話した佐藤だが、チームとしての結果が伴わなかったことで、声を弾ませることはなかった。

 ピッチ内でひときわ目立つ金髪ヘアー。髪型も佐藤のトレードマークとなって定着している。「いろんな髪型してて、シルバーにしたりとか、丸坊主にしたりとか、あとはアフロみたいにしたりとかもありました。それがサポーターに評判が良くて、『次、どんな頭すんの?』とか聞かれるんです。プレッシャーでもありますが、楽しんでもらえてるんやったらええかなと思います」と白い歯をこぼす26歳。まだまだ伸び盛り。「J2でも通用すると思ってやっているし、もっと上でやりたいと思っている。頭だけじゃなく、プレーでも目をひくようなプレーをしていきたい。そしてジェフを倒すことが今の目標です」。再びの凱旋を誓った佐藤。次はもちろん同じカテゴリーで戦うつもりだ。

(取材・文 児玉幸洋)
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