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活かせなかった好機…雷雨遅延の柏対仙台はスコアレスドロー

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[7.19 J1第15節 柏0-0仙台 柏]

 19日に行われたJ1第15節、日立柏サッカー場では6位柏レイソルと12位ベガルタ仙台が対戦した。雷雨のため1時間遅延して始まった一戦は、0-0で終わった。試合立ち上がりは仙台ペースで進んだが、後半に入ると柏が一方的な展開に持ち込んだものの、チャンスをものにできなかった。

 リーグ中断明け緒戦となる柏は、ブラジルW杯韓国代表のMFキム・チャンスとMFハン・グギョンを揃ってスタメンに起用。守備の要のDF近藤直也に代わってDF増嶋竜也が3バックの中央に入った。

 リーグ4連勝で中断期間に入った仙台だが、12日の天皇杯2回戦で格下の奈良クラブにまさかの敗戦(1-2)を喫した。FWウイルソンとMF梁勇基が欠場する中、FW赤嶺真吾がスタメン復帰をはたした。

 屋根のあるエリアで1時間待っていても両サポーターの熱気が冷めることはなかった。それに呼応するように両チームとも立ち上がりからゴール前での攻防が見られた。仙台が右サイドのクロスから好機を見出そうとすると、10分にはMF太田吉彰のクロスをMF八反田康平が頭で捉えたがGK菅野孝憲の好セーブに阻まれる。さらにこぼれ球をMF武井択也がミドルシュートで狙ったが、ボールはゴールポストの左へと逸れていった。

 中断中から取り組んでいる3-5-2の新システムで臨んだ柏。6分にはFWレアンドロが最初のシュートを放つ。ショートパスとミドルパスを織り交ぜながら攻めるも柏だが、ところどころ雨が溜まったピッチを前にパスがつながらず攻めあぐねる。

 サイドからのクロスで攻める仙台も、時間の経過とともに180cm以上が揃う柏の3バックに跳ね返されてシュートまで持ち込めなくなる。柏はDF鈴木大輔のロングボールをレアンドロがヘディングで逸らしたボールにFW工藤壮人が走り込んだが、仙台DFの懸命のDFにシュートを枠に飛ばすことができない。前半アディショナルタイムにも、右サイドを突破した工藤のクロスをハン・グギョンが頭で合わせたが、シュートに力がなくGK関憲太郎にキャッチされてしまった。

 最近3シーズンで8度顔を合わせている両チーム。成績は4勝1敗3分の仙台に分があるものの、「自分がレイソルを率いてから勝ち負けはいつも僅差」と試合前日にネルシーニョ監督が語ったように、両者の力関係は拮抗している。0-0で折り返した後半も、1点をめぐる激しい展開となった。

 後半の頭からハン・グギョンに代えてMF狩野健太を投入した柏が圧力をかける。FKの流れからPA内でボールを持ったレアンドロは、フェイントでDFを1枚はがしてシュートを放ったが難なくGKの手におさまった。

 雨が止んだことでピッチの状態がよくなると柏のパスワークが冴えわたる。ショートパスをつないで仙台陣内に攻め入ると、橋本のクロスに最後は工藤が足の裏で合わせたが、GKにキャッチされてしまう。

 防戦一方の展開を強いられた仙台は、15分、柳沢に代えてFW鈴木規郎を投入する。なおも柏がボールを支配するが、仙台が粘り強い守備でシュートまで持ち込ませない。柏の攻撃に順応してきた仙台も、ボールを奪う位置が低いため、好機を演出することができない。

 柏が再び決定機を迎えたのは後半32分、工藤がポストプレーから左サイドを駆け上がってきた橋本へ。しかし、左足から放たれたシュートは、ゴールマウスをとらえることができなかった。

 38分にキム・チャンスに代えてMF高山薫を投入して最後の攻勢に出る柏と、カウンターの機会を虎視眈々と伺う仙台だったが、最後までスコアを動かすことができず、勝ち点1を分けあった。勝ち点を24にのばした柏は6位をキープ。同19とした仙台は順位をひとつ上げて11位に浮上した。

(取材・文 奥山典幸)

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