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チャンスメークに徹した鹿島MF土居「もう少し僕のつくったスペースを使ってほしかった」

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[7.19 J1第15節 F東京1-1鹿島 味スタ]

 先制点を奪われた鹿島アントラーズは、難しい状況に直面した。FC東京は最前線にFWエドゥーを残し、FP9人で守備を固めて速攻狙いの戦い方に徹したからだ。それでも、鹿島は両サイドから揺さぶりをかけ、F東京の守備に綻びをつくっていく。「相手が4-1-4-1で守ってきても、頻繁にサイドチェンジをすれば、どこかでライン間のスペースをつくり出せる。そういう戦い方ができた」と、トニーニョ・セレーゾ監督は、振り返った。

 守備を固めた相手を見て「さすがイタリア人監督だな、いろんなサッカーがあるなと思いました」と話すMF土居聖真だが、チャンスができないとは思っていなかった。中央でアンカーのMF高橋秀人と駆け引きをしながら、反撃の糸口を探っていた。

「結構、マンツーマン気味で(高橋に)マークに付かれていたので。ちょっとオトリ気味になって、(柴崎)岳とかに『オレが外に抜けて行ったら空くから、そこを使ってほしい』と言っていました。それもできていたと思います。堅い試合でしたけど、相手も間延びしてきて、うちもボールを回せるようになって、サイドからクロスも上げられていました。自分だけじゃなくて、周りを生かすことを考えながらやりました。もう少し僕のつくったスペースを使ってほしかったですけど、なかなか難しかったです」と言い、ある程度の手応えと、逆転につなげられなかった悔しさを滲ませた。

 特に後半44分、シュートを決められなかったことを悔やむ。「後半は(相手の)イヤなところでボールを受けて、前を向いてダヴィとカイオとワンツーをして、サイドを崩せたりしていたことも何本かあったので。自分の最後の精度が悪くてゴールに結びつかなかったですが、今度、ああいう崩した形ができたら、もっと落ち着いてシュートを決められるくらいになりたいです」。

 FW豊川雄太のゴールで1-1に追い付いた鹿島にとっては、今季初の引き分けだ。「勝利に値するゲームだったし、諦めない姿勢が出ていた。勝ち切ることができれば、個人としてもチームとしても、もっと上に行けるんじゃないかなと思います」と、土居は勝ち点1に満足せず、課題を口にした。
(取材・文 河合拓)
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