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[クラブユース選手権U-18]ともに“勝ち点1以上の収穫を得た試合”、仙台ユース対大分U-18はドロー

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[7.25 日本クラブユース選手権1次R第2節 仙台ユース 1-1 大分U-18 前橋総合]

 夏のクラブユース日本一を決める「adidas CUP 2014 第38回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」の2日目が25日に行われた。ともに初戦を勝利しているグループHの2チームの戦い、ベガルタ仙台ユース(東北1)対大分トリニータU-18(九州2)戦は1-1で引き分けた。グループリーグ最終節は27日に行われる。

「先週の仙台は12.3度くらいしかなくて、どうかな?と思っていた。今日は体力が持つとは思わなかったけど、最後まで本当に良くやってくれた」。仙台は越後和男監督が選手たちを褒め称えたように、気温37.4℃、湿度39%と暑い群馬の地で“熱い”戦いを繰り広げた。

 立ち上がりから拮抗した展開が続いた。仙台は茂木駿佑、大分は姫野宥弥と両チームともにボランチが最終ラインに落ちてボールに絡み、低い位置でのパス交換からリズムを形成。機を見ては左右両サイドへとボールを入れてチャンスを伺う。まず16分に大分。左SB甲斐慎也が左前方にロングボールを入れ、抜け出したFW夏富悠仁が中にパス。姫野がシュートするもネットを揺らせず。仙台も36分にDFラインから左MF井上星矢に繋ぎ、中央にパスを展開。ゴール前でのボール回しから茂木が左足でシュートを狙ったが、枠のわずか外に逸れるなど、スコアが動かないまま前半を終えた。

 試合が動いたのは後半開始直後だった。1分、MF坂井大将のパスを受けたMF宮地裕二郎がドリブルで中央を運び、左足で打ったシュートがネットを揺らし、大分が先制する。しかし、仙台も負けてはいない。14分に右サイドで受けた途中出場のFW飯野稜平にボールが渡ると、素早くPA右に落とし、MF佐々木匠が反応。DFに囲まれながらも、PA内に侵入した所を倒されてPKを獲得する。これを自ら落ち着いて決めて同点に追いついた。

 この1点で勢いに乗った仙台は、21分にも右CK付近でのルーズボールをDF佐藤瑛亮が拾い、フォローに入った佐々木にパス。ゴール前を繋ぎ、混戦から飯野がゴールを狙うも、枠を捉えず。その後、仙台が押し込む場面が増えたが、「押される場面が多かったけど、チーム全員でブロックを作って守りきれたのは大きい。相手に“やらせている”雰囲気で出来たのが良かった」(坂井)と要所をしっかり締めた大分は追加点を与えない。

 36分には「アイツの所でかなり押し返してくれた。ただ、彼は試合に出すまで分からない。波が激しい選手だけど、今日は最大の波が来ましたね」と越後監督が称えたように右サイドから再三に渡ってチャンスを作った飯野が後方からのロングボールに反応。PA左で倒されてFKを獲得し、茂木が直接狙ったが、枠をわずかに逸れる。双方、最後まで戦い続けた好ゲームは勝ち点1を分け合う形で試合を終えた。

 決着がつけば、グループリーグ突破に近づく試合ではあったが、大分の坂井が「難しい試合で引き分けに出来て、勝ち点1を獲れて良かった」と口にすれば、仙台も越後監督が「昨年も一昨年もグループリーグを突破しているので、選手らは優勝と言っている。でも、昨日のゲームは出来が悪くて、今日の試合前に『ふざけるな。暑いからとサボったプレーをした癖に、ちゃんちゃら可笑しい。今日、ちゃんと出来たら優勝を目指して良いよ』という話をした。今日、ここまでコンディションが悪い中でも、あれだけ気持ちを見せたので、準決勝くらいまでは言っても良いと思う」と破顔したように、双方、勝ち点1以上の収穫を得た試合でもあった。ともに目標とする夏の王者を目指し、3戦目に挑む。

(取材・文 森田将義)
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