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興梠弾で浦和先制も鹿島が鉄壁の守備をブチ破る、互いに譲らない死闘はドロー決着

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[7.27 J1第17節 浦和1-1鹿島 埼スタ]

 J1は27日、第17節を各地で行い、埼玉スタジアムでは7戦連続完封のJ1記録を打ち立てた首位の浦和レッズが中断明け2分と白星がない中でも4位につける鹿島アントラーズをホームに迎えた。前半に1点ずつを奪い合った試合は徐々に激しさを増していったが、スコアはそのまま動かずに1-1の痛み分けに終わった。

 序盤からボールを保持する時間が長かったのはホームの浦和だった。ボランチのMF阿部勇樹が最終ラインまで下がって攻撃を組み立てて左右に散らすと、時おり右アウトサイドのMF関根貴大がフリーになる場面もあったが、決定機を創出するには至らない。ボールを回す展開になったものの、2シャドーのMF柏木陽介とMF梅崎司が鹿島のドイスボランチMF小笠原満男とMF柴崎岳の監視下に置かれ、縦パスを打ち込めずになかなか攻撃をスピードアップさせられなかった。

 しかし、前半8分にDF森脇良太がドリブルで持ち込んで左足のシュートを放つと、同16分には柏木のピンポイントパスから抜け出した梅崎がゴールを狙う。ともにゴールには結び付かなかったが徐々にシュートチャンスを作り出し、同19分には森脇、梅崎、FW興梠慎三とつないだボールから最後は柏木が狙ってCKを得る。すると、そのCKから先制点が生まれる。柏木が蹴り出したボールからゴール前は混戦になるが、最後は興梠がねじ込んで浦和が先制に成功した。

 対する鹿島は前半12分に素早いリスタートから柴崎が強烈なミドルシュートを放ったが、GK西川周作のセーブに遭った。浦和にボールを保持される時間こそ長いものの、鋭い出足でボールを奪うと縦に速い攻撃で浦和ゴールを脅かし、同27分には中盤でボールを奪った柴崎が送った縦パスから抜け出したFWダヴィが豪快なシュートを放つも、これも西川に弾き出された。

 7戦連続完封中の浦和守備に苦しんだ鹿島だが、前半30分に鉄壁の守備を打ち破る。相手の縦パスをカットしたDF植田直通がそのままMF土居聖真にパスを送ると、土居は中央のダヴィへとボールを渡す。ダヴィは右サイドを駆け上がった柴崎へ絶妙なスルーパスを送ると、ボールを受けた柴崎が狙いすまして豪快にネットに突き刺し、試合を振り出しに戻した。浦和にとっては第9節柏戦以来、実に8試合ぶりの失点となった。

 1-1のまま迎えた後半に入ると、両チームともに勝ち越し点を奪おうと好機を作り出す。後半5分に最終ラインの森脇からのロングパスに抜け出した興梠が、GK曽ヶ端準までかわして絶好機を迎えるも、相手DFのカバーに遭いシュートまで持ち込めず。すると鹿島は直後のプレーでMFカイオがドリブルで敵陣まで運んで土居にスルーパスを送り、土居のパスからダヴィがシュートを放つもボールは枠を捉えられなかった。

 徐々に鹿島に主導権を握られ始めた浦和は、後半18分に関根に代えてMF関口訓充、梅崎に代えてFW李忠成と2人を同時投入して流れを変えようと試みる。すると鹿島もMF豊川雄太に代えてMF杉本太郎、植田に代えてDF山村和也と浦和同様に2枚替えで応戦する。

 後半28分には李の落としから関口が狙うもシュートは枠上に外れ、同29分には小笠原とのパス交換から柴崎がミドルシュートを放ったが、こちらも枠を捉えることができなかった。さらに同32分には抜け出したダヴィ、同41分には途中出場のMF本山雅志が決定機を迎えたが、ともに西川の決死のセーブに遭って勝ち越しゴールを奪えない。

 両チームともに試合終了のホイッスルが吹かれるまでゴールを狙い続けたが、スコアは動かず。1-1で勝ち点1を分け合う結果となった。

(取材・文 折戸岳彦)

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