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18歳のJデビュー、鹿島MF杉本「鹿島を背負う責任感が強まった」

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[7.27 J1第17節 浦和1-1鹿島 埼スタ]

 18歳の若武者が大きな一歩を踏み出した。第3節以来となるベンチ入りを果たした鹿島アントラーズのMF杉本太郎は、この試合で自分がJリーグデビューする予感があったと語った。「ベンチに入ったことで正直、今日は出れるかなと思っていました。何となく、雰囲気的に」と――。

 そして1-1で迎えた後半23分、その予感が的中する。MF豊川雄太に代わり、ピッチに送り出された杉本は念願のJデビューを飾ることとなった。同点で迎えた試合途中での投入となったが、「とりあえず思い切りやれと言われました。思っていたよりも緊張もなかったし、雰囲気にのまれることはなく、思い切ってやれたと思います」。試合後にそう語ったように、18歳ながらも物怖じしない姿勢を見せてピッチ上で存在感を示した。

 右サイドハーフのポジションで投入されると、直後の後半24分にはMFカイオのスルーパスを受けて、PA内で積極的な仕掛けを披露。対面するDF槙野智章にも激しく体をぶつけて守備をこなすだけでなく、同32分にはFWダヴィとのパス交換から自身初シュートを放つなど、思い切りの良いプレーで鹿島サポーターを沸かせた。

 シュートがジャストミートしなかったこともあり、「自分の中では余裕を持っていましたが、相手のスライディングが視界に入って、それが気になってしまいました。チャンスがあった分、ゴールも決めたかったです」と反省を口にしたが、「でも、いい勉強になりました。試合に出たことで気持ちの余裕も出てきますし、自信もついたと思うので、もっと思い切ったプレーが練習から出せると思います」と、すぐさま視線を上に向けた。

 プロデビューを飾ったことで、新たな世界も見えてきたようだ。「今まで思っていた以上の責任感を感じました。これから戦って、鹿島を背負うんだぞという。そういう気持ちがより一層強くなりました」と語るだけでなく、「試合に出たことで満足するわけではありません。自分がチームのために走り、気持ちの入ったプレーを見せて盛り上げていきたいし、もっと前へ、前へという意識を持ってゴールも決められればと思います」と今後に向けて意気込みを示した。1996年生まれの18歳の物語は、まだ始まったばかりだ。

(取材・文 折戸岳彦)

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