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[MOM1091]F東京U-18FW蓮川雄大(3年)_得意の「アメ車」アタックで得点ランク首位タイ浮上

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[8.1 日本クラブユース選手権準決勝 JFAアカデミー福島U18 1-1(抽選によりF東京が決勝T進出) F東京U-18 三ツ沢陸]

 スペースへ走り出す、スピードに乗る、邪魔する奴は蹴散らす、ゴールを決める。FC東京U-18の前線には、危険なアタッカーがいる。180cm超の恵まれた体躯を誇る蓮川雄大だ。9分、カウンターで縦パスを受けた蓮川に迷いはなかった。「一発目は思い切り行って相手をビビらせるというか、自分はこういう選手なんだと見せておいた方が良いと思って、毎回1本目は行くようにしている」という言葉通り、一気に加速すると奪いに来た相手を弾き飛ばして強烈なシュートを突き刺した。佐藤一樹監督は、蓮川を「アメ車」と表現する。確かにサイズも馬力も破格だ。特に加速力は、目を見張る。

「あれが自分の武器。でも、ラウンド16と準々決勝では相手に引き込まれて、なかなか自分の良さが出なかった。今日はチャンスがあると思っていた」という蓮川の強烈なアタックは、相手の計算を狂わせた。JFAアカデミー福島U18の中田康人監督は「相手の9番の速さは、予想以上でビックリした。最初のプレーにインパクトがあったし、うちの右DFの牧野(潤)が気にし過ぎてしまった。本当は、相手の27番は牧野が見るはずで、相手のシャドーはCBで見ようと言っていたけど(牧野と相手の9番が)マンマークのようになって中に絞られてしまい、前半は27番(小山拓哉)にやられていた」と顔をしかめた。あいさつ代わりの一発は効果抜群だった。

 チームは今大会の予選から3バックを採用しているが、そのシステムが蓮川の良さを引き出し始めている部分もあるという。蓮川は「今までは(4-2-3-1の布陣で)左サイドに張っていることが多くて、自分にボールが入ってからプレーするというのが一番の自分の形だった。でも(3-4-3の布陣になってから)シャドーの位置に入るようになって、周りをフリーにする動きもやっているし、アシストの数も増えた。今は、すべての攻撃に絡むことが評価を上げられるプレーというか、どんどん出していかないといけない部分だと思っている」と充実感をのぞかせた。昨年のJユースカップのラウンド16、新潟ユース戦でPKを外してからはPKの練習も積み、今大会では5本蹴ってすべて決めているという部分にも自信を見せていた。

 今大会は、通算6得点。決勝で対戦する三菱養和SCユースのFWディサロ燦シルヴァーノに並んだ。蓮川は「得点王にはこだわっている。一つの目標。チームが勝って、自分が得点王になれば一番いい」とWタイトル奪取に意欲を見せた。決勝戦の見どころを一つ増やす存在となった。

(取材・文 平野貴也)
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