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[総体]創立100周年控える「紫」の鹿児島実が大逆転!伝統校対決制す!!

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[8.2 全国高校総体1回戦 盛岡商高 2-3 鹿児島実高 韮崎中央公園芝生広場]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技1回戦が2日に行われ、9年ぶり出場の伝統校・鹿児島実高(鹿児島)は3-2で盛岡商高(岩手)に逆転勝ち。復活の白星を挙げた。

 前半28分までに2点のビハインド。18分にミスから盛岡商FW根子裕将(3年)に先制点を献上すると、28分にも根古にゴールを許した。全国高校選手権優勝2回、準優勝3回など輝かしい歴史を持つ鹿児島実も最後に総体に出場したのは05年で選手権も07年度が最後と現在のメンバーは全国を経験していない。この日は明らかに動きが硬かった。ただ創立100周年を来年に控え、スクールカラーの紫で彩られたセカンドユニフォームで初めて全国を戦った名門は、トレーニング通りの形から奪ったゴールと「伝統の力」で逆転勝ちをおさめた。

 鹿児島実は0-2の前半34分、セットプレーのクリアボールをつなぐと、右SB鮫島大(3年)が中央からPAへ浮き球を入れる。これを胸でコントロールしたCB内屋椋佑主将(3年)が豪快な左足シュートを叩き込んで1点差。これで息を吹き返した鹿児島実は後半、セットプレー、クロスからチャンスを量産する。

 だが根古、FW大澤玲央、MF千葉秀平(3年)と攻撃タレント並ぶ盛岡商もカウンターから反撃。前線でボールを収める大澤やDFを振り切る千葉のスピードを活かして3点目を狙った。23分には大澤のポストワークからディフェンスラインをブレイクしたMF吉田廉(3年)がチャンスを迎えるなど鹿児島実に冷や汗をかかせる。

 191cmFW前田翔吾(3年)の高さを駆使して圧力をかける鹿児島実だったが、盛岡商のゴール前、中盤の守りはともに堅く、同点ゴールを奪えないまま試合終盤を迎えていた。それでも32分、鹿児島実は鮫島の右クロスをファーサイドの前田が頭で丁寧に右後方へ落とすと、走りこんできたMF井上黎生人(3年)が右足ダイレクトでゴール右隅へファインショットを突き刺す。

 フィジカル能力の高さを武器に存在感を放っていた井上の起死回生の一撃で同点に追いついた鹿児島実は、後半アディショナルタイム突入後の36分に劇的な決勝点を奪う。中盤から左オープンスペースへ展開すると、MF福島立也(3年)がクロスを放り込む。ファーサイドから勢いを持って飛び込んだ前田が圧巻の高さからヘディングシュート。これがゴール左隅を破り、決勝ゴールとなった。

 より高いレベルで戦える選手を育てるために、1タッチのシュートにこだわってきたという鹿児島実。また足元も巧みでこれまで中央で勝負しがちだった、長身ストライカー前田がファーサイドから飛び込む形は何度もトレーニングしてきたものだったという。森下和哉監督も「2点目、3点目はトレーニングでやってきたことを出せた。(繰り返し)やってきて良かったなと思います」と晴れやかな表情を浮かべていた。

 前田は「どんなにいいサッカーをしても勝たなければ意味がない」ときっぱり。今年は逆転勝ちがほとんどなく、勝利への執着心や諦めない心はOBである指揮官の目に「まだまだ」と映っていた。それでも選手たちにも少しずつ芽生えてきている「鹿実魂」。試合内容は決して納得のいく形ではなかった。だが、両校ともに全国高校選手権優勝の歴史を持つ伝統校対決での劇的勝利で、鹿児島実は復権へ向けて弾みをつけた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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