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[MOM1102]尚志FW林純平(3年)_J練習参加で「覚悟」決めたエースが2戦3発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.3 全国高校総体2回戦 尚志高 5-2 鹿島学園高 韮崎中央公園芝生広場]

 期待のストライカーが「心の変化」とともに覚醒しつつある。厚い胸板など強靭な身体を備える尚志高FW林純平(3年)は「ターンしてからぶち込んだり、センタリングに身体を投げ出しながら決める」プレーを持ち味とする点取り屋。仲村浩二監督が「キレキレでした」と評したこの日はDFの寄せに対してもビクともしないようなボールキープを披露したほか、裏への鋭い抜け出し、そして1-1の前半35分に右クロスから「ズドン」とゴールへ叩き込んだヘディングシュートなど2得点を挙げてチームの5発快勝に貢献した。

 素材は一級品。誰もが認めるタレントだが、仲村監督は「彼の覚悟がなかった」とメンタル面や体力面などを指摘してプリンスリーグ東北では先発機会を与えてこなかった。ただ6月にモンテディオ山形へ練習参加してから林は大きく変化。プロ選手たちの練習への取り組み、オンオフの差などを肌で感じた林は「メンタル面、判断力、運動量」を課題に自身の姿勢を改めた。それまでは筋トレが大好きで走りは苦手だったというが、スタッフ陣から「筋トレ禁止令」を出されたこともあり、自主的にショートダッシュを継続。身体のキレが増して試合での活動量が向上し、裏への抜け出しなど、自信を持ってできるようになった。

 この日は「興奮しちゃいました」と振り返った前半35分のヘディングでのゴール後に「どうだ!」と言わんばかりのゴールパフォーマンス。そして2-2の後半17分に再び勝ち越しとなるゴールを決めると、直後の19分にはダイレクトの落としでMF稲村知大のゴールをアシストするなどチームメートの良さも引き出した。ピッチ上で見せるプレーはもちろんだが、何より彼が「覚悟」を決めたことでチーム全体の意識が高まり、雰囲気も向上。チームの柱として尚志の進撃をもたらしている。

 本人の目標は「全国でも通用する選手になりたい」。今大会すでに2戦3発と全国舞台で堂々の結果を残しているFWがこれから迎える全国上位での戦いでも力を発揮し、「全国で通用するFW」「大会を代表するFW」へ覚醒する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』) 

(取材・文 吉田太郎)
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