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[MOM1104]星稜DF鈴木大誠(3年)_攻守でミス挽回、「最終目標は優勝」と誓う星稜の頼れる主将

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.4 全国高校総体3回戦 星稜高 3-2 帝京三高 韮崎中央公園陸上競技場]

「自分のミスもあって、少し悔しい部分もありましたが、そのようなハプニングは想定内。すぐにチーム全体で一度集まって切り替えてやろうという話をしました」と開始38秒の失点を想定内だと振り返った星稜高DF鈴木大誠(3年)が攻守に渡ってそのミスを挽回する活躍を見せた。

「あれは想定外」と河崎護監督も振り返る失点だったが、選手たちの中では想定していた出来事だった。だからこそ、チームはすぐさま2点を奪って逆転したが、後半に入ると流れは激変。「昨日のミーティングでは、相手が前から来ないという情報だったので、自分たちからすると想定外。だから、後半に入ってから対応が遅れたのかなと思います」(鈴木)というように後半に入ってから豹変した帝京三の戦い方は全く想定していないことだった。前半はそこまで球際やプレスに関して激しく来る事はなく、むしろ緩さを感じさせる内容。しかし、後半に入るとアグレッシブに前線からボールを奪いに出て来られチームは受けに回ってしまった。

 しかし、その状況をまた一変させたのが主将だった。試合開始早々に失点へと絡んだミスを挽回すべくまずは攻撃で見せる。後半10分、左サイドで得たFKをFW森山泰希(3年)が中央へ入れる。このボールを鈴木が打点の高いヘディングで合わせると、これがゴールに吸い込まれ貴重な追加点。「常にセットプレーからの得点は狙っていましたし、プロとかの試合を見ていても得点が奪える率が高い。あと、自分はそのようなところで見せるしかないと思っていたので良かったです」と本人が振り返ったように、押し込まれていた時間帯での得点は価値あるものとなり、結果的にこれが決勝点にもなった。

 そして鈴木は、押し込まれる時間が長く続いた守備においても、ミスを埋めて余りある活躍を見せる。本来、ボランチを務めるDF平田健人(3年)とこの日はCBを組んだが、明確な役割を割り振って対応。平田が1対1に強いということで、対人に強い鈴木がカバーリングに回って相手攻撃陣を最後のところで封じ込む。この明確な役割分担が最後まで集中力を切らさない要因にもなった。そしてゴール前で何とか相手の攻撃を跳ね返した星稜は3-2で勝利。鈴木もホッとした表情で勝利を喜んでいた。

「昨年の総体ベスト8を越える事ではなく、昨年の選手権準優勝を越える事を自分たちは目標にしている。今日の結果は正直嬉しいけれど、そのような意味ではまだ喜べるところには来ていない」(鈴木)とこの勝利に浮かれる事なく、既に準々決勝へ切り替えている。「ここから勝ち上がっていって優勝することがボクたちの最終目標」と、言い切る鈴木が先頭に立って今度こそ頂点を摑み取る。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 松尾祐希)
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