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[総体]PK戦で東北勢対決制す!青森山田が9年ぶりの8強進出!!

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[8.4 全国高校総体3回戦 青森山田高1-1(PK4-2)尚志高 韮崎総合]

「同じ東北勢なので、絶対に負けられないと思っていた」と青森山田高(青森)のMF山下優人が話したように、ベスト8入りをかけた尚志高(福島)との一戦はお互いの意地と意地がぶつかった熱戦となった。

 序盤にチャンスを作ったのは尚志。縦に抜ける右の鈴木大、中に切れ込む左の津田亘介と特色のある両サイドMFが果敢に青森山田DFに向かい、チャンスを作ったが、青森山田は「尚志はどんどん前に人が出て、DFのギャップを突いてくる。昨日もCBとSBの間をやられて失点したし、だいぶ体力的にしんどそうだったから、CBを1人増やした」(黒田剛監督)と2回戦・帝京大可児高(岐阜)戦で採用した4バックから3バックへの変更が奏功。ゴール前をきっちり抑えて、失点を回避する。

 対する青森山田は「プレミアでは“失う物は何もない”くらいの気持ちで良いサッカーをするんだけど、総体や選手権は変にかしこまっているというか、リスクを怖がったサッカーになっていた」(黒田監督)とらしさが見られないながらも、MF小笠原学北城俊幸の両WBによるカウンターとボランチ山下優人を起点としたボール運びでチャンスを作り、11分にはFW松木駿之介のシュートで先制する。

 しかし、リードしたのも、つかの間。14分に右サイドでのファウルで尚志にFKを与えると、これをDF山城廉にヘディングで合わせられ、試合を振り出しに戻されてしまう。その後は膠着状態が続き、1-1からスコアが動かないまま前半を終えた。

 後半は青森山田が試合の主導権を握ったが、3連戦の3戦目ということもあって疲労のピークを迎えていた。加えて、寒冷な青森の地で日常生活を過ごす選手たちにとって、山梨の暑さが与えるダメージは絶大で足が思うように動かない。「前がもっとボールをおさめてくれれば良かったんだけど、失い方が余りにも単純すぎた。ミスから長いボールを蹴られてしまうので、サポートに入るサイドの選手が守備から攻撃へ長い距離を走らなければならずに大変だったと思う」(黒田監督)とゴール前までボールを運ぶもののラストパスに反応出来ない場面が散見した。それでも、終了間際の後半34分にPA右外で、FKを獲得し、DF平松遼太郎がヘディングでゴールを狙ったが、左ポストに阻まれて1-1のままPK戦に突入した。

 PK戦では「“シャー!”などと声を出す事で気合いを入れて、勢いに飲まれた相手のキックミスを誘うつもりだった」(仲村浩二監督)と後半終了間際にGK渡邊翔を投入したものの、審判から声出しを禁止され、本領が発揮出来なかった尚志に対し、青森山田は「PKの練習はずっとやってきたので唯一、練習通りの力が出せるのがPK戦だと思う」(黒田剛監督)と日頃の成果を披露。4人のキッカーが全員、きっちりネットを揺らし、GK廣末陸が2本のキックをセーブ。PK戦4-2で青森山田が勝利し、優勝した2005年以来、超える事が出来ずにいたベスト16の壁を突破した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

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