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[MOM1106]東福岡GK脇野敦至(2年)_好守連発の2年生GK、地元観衆沈黙させるPK阻止も!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.4 全国高校総体3回戦 山梨学院高 0-1 東福岡高 韮崎中央公園芝生広場]

 東福岡高はMF中島賢星主将(3年)が「感謝するしかないです。ありがたいです」と最高級の褒め言葉で讃え、森重潤也監督も「あの時間で良く止めたなと思うし、あれで決まったかもしれないプレーでした。きょうのMVPをあげてもいいくらいのプレーを2年生ながらしっかりとやっていると思います。思い切りの良さもあるし、3年生に遠慮することなくということもなく、謙虚さを持ちながら自分の仕事をやっている」と評したGK脇野敦至(2年)が試合最終盤にPKをストップするなど、勝利を決める存在になった。

 ディフェンスラインとのバランスなど戦術上の理由で7月から先発GKに任命された脇野。この日は前半に16分に鋭い飛び出しで相手アタッカーとの1対1を「前に出てコースを切って身体をブロック作ったら当たると思ったので我慢して立ちました」とセーブすると、その後もやや高めの位置取りで相手の背後への攻撃をカバーする。そして後半33分にPKを与えて味方が沈む中、右へ跳んでストップし、地元代表の山梨学院高を応援する観客たちを沈黙させた。森重監督は「3年生も感謝していると思います」と微笑んだファインセーブでチームを救った脇野は、35分にも山梨学院MF伊藤大祐の決定的なシュートを好反応で弾き出してゴールを許さなかった。

 「自分は足に自信があるのでどんどん前に出ていくプレーを意識しています」。GKだが、50m走6秒3の俊足。W杯ブラジル大会で優勝したドイツ代表のGKマヌエル・ノイアーが非常に広い守備範囲を見せたことから自身も意識して前への飛び出しを磨いてきたという。この日も大柄なCBの背後を突かれても、彼のスピードと判断のいい飛び出しが相手の狙いを打ち砕いていた。主将の中島は「凄い頼もしいですけど、まだこうして欲しいとか要求は少しある。コーチングとか、DFとずっと話ながらやって欲しいですし、あとビルドアップのところとか練習からミスをする場面があるのでそこはしっかりと声をかけてやりたいです」と心強く感じている一方で、より高いレベルのプレーを求めている。

 小学校5年生でGKに転向したという脇野は「West Kids Duel」というクラブから部員270人という東福岡への進学を決めた際から決心して、より努力を重ねてきた。「ヒガシに行くには(中学までから)絶対に気持ち切り替えていかないといけないと思って、日々のトレーニングから意識してきました。キックにしても、セービングにしても、前への飛び出しについても全部よくなったと思います」。今大会では緊張感高い大舞台を経験。そしてチームを救って8強へ導いたGKはこれからの上位対決で、今後のためにもより自信を掴んで全国総体を終える。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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