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[総体]大津は全国決勝で強さ示すも準V、平岡監督「諦めない才能を成長させてもらいたい」

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[8.8 全国高校総体決勝 大津高1-4(延長)東福岡高 中銀スタジアム]

 あと、たった2分。熊本・阿蘇の麓に位置する公立校、大津高の日本一の夢は試合終了目前ではかなく消えた。チームの歴史を塗り替え、初の決勝進出を果たして臨んだ東福岡高との九州勢決戦。試合終了2分前の後半33分に不運な形で失点するまでは、ほぼ思い通りの展開だった。

 右の河原創、左の大塚椋介の2年生SBコンビが、相手の強力なサイドアタッカー、MF増山朝陽とMF赤木翼にふたをする。上手く距離を取って突破を抑えつつ、仕掛けに対しては厳しいチェック。倉本龍吾(3年)と野田裕喜(2年)の両CBも上手くカバーし、GK井野太貴(3年)もクロスに反応良く飛び出して対応するなどその攻撃を封じていた。

 そして中盤ではMF田原悟とMF平岡拓己(ともに3年)のダブルボランチがインターセプトやこぼれ球を上手く収めてから正確且つ素早いパスワークを開始。前線での存在感際立っていたFW一美和成(2年)を起点に大黒柱のMF葛谷将平主将と今大会得点ランキング2位の6得点をマークしているMF坂元大希、MF古庄壱成(全て3年)が絡む鋭い攻撃で決定機をつくり出した。
 
 前半24分には一美とのワンツーで左サイドを攻略した田原が深く切れ込んで折り返す。これに走りこんだ葛谷が右足で右サイドへ流すと、フリーの古庄がゴール左隅へ押し込んで先制した。流れるような攻撃から生み出した美しい先制点。さらに後半には抜群の強さを発揮した一美の右足ミドルがクロスバーをかすめ、微妙な判定のオフサイドとなったものの、一美とのワンツーから坂元が右足でゴールへ流し込むシーンもあった。

 チャンスは十分にあっただけに平岡和徳監督は「残念ながら2-0にするチャンスを決めきることができなかった。ウチらしい崩しの中でオフサイドになったり、バーをかすめたり1-0からもうひとつ動かせなかったのが残念だった」。試合終盤、“エースキラー”のDF時松拓海(3年)を投入して相手のキーマン・MF中島賢星をマンマーク。だが守備のバランスが崩れているところでクロスを上げられ、それがGKの頭上を越える形となり同点に追いつかれてしまう。「なかなか切り替えられなかったですかね。クロスがそのまま入ってしまったという無念さがあったと思います」(平岡監督)という延長戦では気力を振り絞って戦ったが後手に回り、3点を奪わえて試合終了の瞬間を迎えた。

 全国の強豪校たちが人工芝グラウンドでトレーニングしている中、土のグラウンドで日常を送り、「人間力」(平岡監督)を磨いてきた公立校が決勝まで駒を進めた。そして決勝でも選手たちは指揮官が「本当に決勝にふさわしい戦いをしてくれた」と感謝するほどの熱く、自分たちの良さである技術の高さも示すプレーの連続。十分に頂点に立つ権利を持ったチームだった。数々のJリーガーを輩出してきた“育成の大津”が見せた全国上位での活躍。平岡監督は「たくさんの方々に評価して頂きながら本人たちも自信を深めることができたと思いますし、チームを見ている私たちも高く評価して頂いたことについてはこの後もっともっと高みを目指していきたいと思います。彼らには、3年間においてきょうを区切りにして諦めない才能を成長させてもらいたいと思います」。“育成の大津”は初めて経験した全国決勝での敗戦、あと一歩の準優勝で得た「最後まで諦めない心の大切さ」「勝ち切ることの難しさ」を新たな成長につなげる。

(取材・文 吉田太郎)
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