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[総体]「一人ひとりの成長が見えた大会」から次の一歩、準V・大津は決勝翌朝から石川遠征へ

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[8.8 全国高校総体決勝 大津高1-4(延長)東福岡高 中銀スタジアム]

 大津高(熊本)は初の決勝進出を果たし、準優勝。ただ、試合終了の瞬間から次の戦いへ向けたスタートは切られている。今大会・息子のMF平岡拓己(3年)との父子鷹にも注目が集まった大津・平岡和徳監督は「拓己に限らず、一人ひとりの成長が見えた大会。大変悔しい思いをしていると思いますけれども、悔しい思いをすることで彼らのキャリアが変わってくると思いますので。ここ(全国決勝)に来れるというのは2チームしかない。そして具体的な悔しさを味わえるチームはひとつしかない。早くまたあしたを迎えて今度は(遠征先の)石川県で新しいものをつくり上げたいと思います。あす(決勝翌日の9日)は午前5時出発です。ボクも彼らがあすサッカーをやるところを早く見てみたいし、彼らもサッカーをやりたいと思う。下を向く時間はないですね。あの時がスタートだったというふうに子供たちが思えるような関わりをしていきたい」とこの敗戦から選手たちが成長してくれることを期待し、それを後押しすることを決意していた。

 今年は大学からMF谷口彰悟(現川崎F)、GK藤嶋栄介(現鳥栖)、GK圍謙太朗(現F東京)、FW松本大輝(現甲府)の4人がJ1入りしたのをはじめ、J2、J3のクラブにもOBが加入した。「この3年間で終わらずにこのあと一歩でも二歩でも世界に近づける選手をつくりたい。3年間で約1000日という期間ですけど、子どもたちの未来に触れているという自覚を持っている」という平岡監督の下、毎年のように逸材をつくり出している“育成の”大津は、今大会でもすでに鹿島の練習参加をしているMF葛谷将平主将(3年)やMF坂元大希(3年)、MF田原悟(3年)らが個の実力の高さを示し、FW一美和成やCB野田裕喜という2年生が全国舞台でブレイクした。葛谷、坂元、一美、野田に加えて決勝で先制点をたたき出したMF古庄壱成とCB倉本龍吾(ともに3年)も大会優秀選手に選出されるなど関係者たちからも高く評価された選手たち。「一人ひとりの成長が見えた大会」で飛躍した選手たちは個々がさらなる高みをめざし、今年2連敗となった東福岡高に「次の冬は必ず勝てるようにいいチームをつくりたい」(平岡監督)という目標も果たす。

[写真]先制ゴールを決めた古庄ら大津は東福岡の9人に次ぐ6人が大会優秀選手に。

(取材・文 吉田太郎)
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