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[総理大臣杯]関西大撃破!愛知学院大が15年ぶりの4強進出!

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[8.13 総理大臣杯全日本大学トーナメント準々決勝 関西大 1-2 愛知学院大 ヤンスタ]

 夏の大学日本一を争う第38回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの準々決勝がヤンマースタジアム長居で行われ、関西大(関西3)と愛知学院大(東海1)が対戦した。

「今日はノビノビとしよう。でも、間延びはするなよ」。試合前に境田雅章監督が発したダジャレは選手たちに伝わらず不発で終わったが、メッセージ通り、愛院大の選手たちがピッチを躍動した。

 立ち上がりから相手に襲い掛かり、6分には左サイドのMF水谷侑暉から中央のMF砂井翔太へと繋いだボールをPA左に展開。これをFW知念慶が決めて、愛院大が先制する。しかし、リードもつかの間の9分、関西大にCKを与えると、ショートコーナーを許し、フリーでFW成田鷹晃がシュート。GK本永絃が弾いたボールをMF梶山知裕にヘッドで押し込まれ、すぐさま同点とされてしまう。

「前半の真ん中あたりから相手に良いパス回しをされてしまった」(境田監督)との言葉通り、追いつかれた愛院大は防戦一方に。12分には左サイドでボールを失い、素早くDFラインの背後を突かれてMF和田篤紀に突破を許すと、ゴール前に走り込んだFW成田にパスを許す。絶体絶命のピンチだったものの、これは成田の空振りに助けられ、難を逃れる。

 22分には右サイドのMF山下達哉のパスが反対サイドに抜けて、フリーの水谷に渡る。これを受けた水谷が一気に加速し、中に切れ込むもシュートは打てず。何とかMF西中寿明に繋ぐも、奪われ、カウンターからピンチを迎えたが、ここは本永がきっちり抑える。その後も、関大がMF布施周士、和田を中心にボールを動かし、チャンスを作ったがDF陣がしっかり対応し、前半を終える。

 耐える時間が長かった愛院大だが、後半からは「前半と同じスタートを切っていれば、チャンスは作れたかもしれないけど、それ以上に相手にチャンスを与えたかもしれない。でも、部長が言っていた『柔道でも守ってばかりでは、勝ちは無い』という言葉通りに選手たちがやってくれた」(境田監督)。前半、守備に追われながらも上手く体力を温存していた水谷を中心に、愛院大は関大を押し込んだ。

 後半21分に与えた成田のフリーでのシュートも本永が足で防ぐと、「関東や関西勢に対抗するため、判断のスピードを意識している。ボールが外に出た時も出来るだけ、速いリスタートを狙っている」(境田監督)との狙い通り、給水による中断明けの29分にMF真柄俊作からのパスをエリア右で上手くコントロールした知念が相手DFをかわし、ゴール左隅にシュート。この一撃が関大ネットを揺らし、勝ち越しに成功する。

 その後、得点を奪いに、前がかりとなった関大が33分にゴール前でのパス回しで愛院大DFをゆさぶり、FW竹下玲王がシュートを打ったが、本永がセーブ。41分には左から右に流れたボールをFW宮村緯が豪快に狙ったが、DF鵜川直也の身体を張った守備に阻まれ追加点を奪えず。2-1で愛院大が勝利し、15年ぶりに総理大臣杯の4強に進出した。

 「吸収する能力が高いし、トライする力がある。真柄を始め、テンポよく繋ぐセンスがあったり、パスの使いわけが出来る選手が揃っている」と指揮官が評するように、今年の愛院大は全日本大学選抜の水谷だけでなく、この日2ゴールを奪った知念や好セーブを見せた本永など決して有名ではないが、実力派が各所に揃う。実力を証明するようにわずか1敗で東海リーグを2位につけ、総理大臣杯をかけた東海選手権では第1代表の座を掴んだ。「出来すぎだなと思っていた。ハマると良いんだけど、ハマらないとどうしようもない」(境田監督)との言葉通り、大会直前の関東遠征で大敗を喫したように好不調の激しさが悩みでもあるが、4強に進出した今大会は上手く波に乗れている。このままビッグウェーブに乗り、夏の大学王者の座にたどり着けるか注目だ。

(取材・文 森田将義)
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