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アギーレ視察の一戦、阿部の一撃で浦和が広島とのミラーゲームを制す

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[8.16 J1第20節 浦和1-0広島 埼スタ]

 J1は16日、第20節を各地で行い、埼玉スタジアムでは浦和レッズサンフレッチェ広島をホームに迎えた。この一戦には日本代表のハビエル・アギーレ新監督がJ1リーグ初視察に訪れた。試合は前半に先制した浦和が広島の反撃を許さずに逃げ切って1-0の完封勝利。4試合ぶりの白星を獲得した。

 DF那須大亮が出場停止の浦和はDF永田充が第11節F東京戦以来となる先発出場を飾り、最終ラインの中央に入った。対する広島は、前節鳥栖戦と同様の11人がスターティングメンバーに名を連ねた。

 序盤から浦和がボールを回す時間が長く、前半3分にはMF柏木陽介のCKから永田がヘディングで狙い、この試合のファーストシュートを放った。同7分にはMF梅崎司が積極的にミドルシュートを放ったものの、ゴール左に外れてしまう。

 3-4-2-1と同システムを採用する両チームの対戦は、自然と1対1の場面が多くなる。浦和がボールを持っている際には、1トップ+2シャドーと両アウトサイドが、広島の3CBと両アウトサイドの監視下に置かれてしまい、効果的な縦パスを配球できない。しかし、ボランチの位置から下がるMF阿部勇樹と最終ラインへのプレッシャーは緩く、ボールを持つ時間は長くなった。

 対する広島がボールを保持する時間は限られた。ボランチのMF森崎和幸が最終ラインまで下がって攻撃を組み立てようとしたが、浦和のボランチであるMF鈴木啓太が森崎和が引いた位置までプレッシャーを掛けてくるため、思ったように組み立てができない。時おり、カウンターからチャンスを作りかけたが、シュートまで持ち込めなかった。

 ともに決定機が生まれない中、浦和がセットプレーから先制点を叩き込む。前半22分、ゴール前で得たFKで柏木が直接狙ったボールはゴールポストに弾かれたものの、こぼれ球に反応した阿部が右足で豪快に蹴り込んで先制に成功した。その後は互いに相手守備を攻略し切れずに1-0と浦和がリードしたまま、前半終了の笛が吹かれた。

 後半も大きく流れが変わらない中、広島は後半14分にMF高萩洋次郎に代えて、前節鳥栖戦で決勝ゴールを決めたFW皆川佑介を投入する。皆川を最前線に配し、1トップだった石原をシャドーに移して反撃を試みるも、直後の同15分には浦和に右サイドを崩されて最後は梅崎にミドルシュートを放たれてしまう。

 自陣から飛び出して敵陣までプレッシャーをかけていく広島が徐々にゴール前までボールを運ぶ場面を増やすが、決定機を創出するには至らない。後半30分には途中出場したMF野津田岳人のCKから皆川がヘディングシュートを狙うも、ジャストミートしなかった。逆に直後に浦和がカウンターからFW李忠成が左足で強烈なシュートを枠内に飛ばしたが、これはGK増田卓也のセーブに遭って追加点とはいかなかった。

 ともに最後までゴールを目指し、後半アディショナルタイムには皆川のポストプレーから抜け出したMF柴崎晃誠決定機を迎えたが、GK西川周作の好セーブに遭って同点には追い付けない。結局スコアは1-0のまま動かず、阿部の得点を守り抜いた浦和が完封勝利で4試合ぶりの勝利を収めた。

(取材・文 折戸岳彦)

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