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西が丘で勝って初の選手権全国へ、関東一FW角口「もっと得点力が欲しい」

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[8.31 T1リーグ第14節 関東一高 2-3 成立学園高 新小岩私学事業団総合運動場]

 近年、全国高校総体やプリンスリーグ関東、関東大会に出場してきた関東一高は、悲願の初優勝を目指して選手権に臨む。選手権東京都予選で総体予選準々決勝で敗れた駒澤大高や修徳高と同じAブロックに入ることが決定。組み合わせ決定後、初の公式戦となった東京都1部リーグの成立学園高戦で関東一は前半18分にMF万代勇輝(3年)が自ら倒されて得たPKを決めて先制し、36分には左CK後の混戦からFW鈴木隼平(2年)が頭で決めて突き放す。

 ただ主将のFW角口大征(3年)が「立ち上がり練習した形でセットプレーから点が取れたのは良かったんですけど、失点してからの気持ちの切り替えの部分が。まだ自分たちで盛り上げきれないというのがある。失点してしまうと自分たちで気負いすぎるというか、焦る部分が出て、気持ちの切り替えができていない」というチームは前半終盤に連続失点。そして後半開始直後に勝ち越されてしまう。183cmFW角口が前線でボールをおさめ、左SB阿部凌雅の攻撃参加やMF佐藤勇斗、FW音泉翔眞(全て3年)の仕掛けなどで反撃したが、終盤の好機を活かせないまま1点差で敗れた。

 小野貴裕監督が「今年は点が取れる世代。失点がリーグ戦で少ないんですけど、それは攻撃している時間が長いからだと思います。攻撃している中で失点を減らせていると思う」と説明する今年の関東一。例年攻撃型のチームをつくり、パスで崩すサッカーを展開しているが、今年も1年時からレギュラーを務める角口を中心に攻撃力のあるチームとなっている。そして中央からのワンツーやSBの攻撃力を活かしたアタックなど中からでも外からでも崩せるチームへ成長中。ただ、失点が少ないためか、失点してから沈む傾向にあるだけに落胆することなく切り替え、そしてより得点を取れるチームにならなければならない。

 指揮官が「良くなってきた。キレが出てきた。彼はやれると思った」と期待する攻撃のキーマン・角口は総体予選は3得点。本人も選手権ではゴールでチームを引っ張らなければいけないという思いがある。「高さが一番の武器ですね。左も右と同じようにシュートが打てる。右切られても左でも打てると思っています。(今は)もっと得点力が欲しい。きょうも収めてから散らすことはできているんですけど、自分からゴールに向かうことができていなかったと思います。周りが関東一はパスで崩すと言うのを知っている。対応された時に泥臭く点取ることも大事になってくる。自分が点取って勝てればいい」と誓った。

 1年時にチームは準優勝したが、昨年は初戦敗退。現在のメンバーで西が丘の舞台でプレーした経験を持つのは角口ひとりだけだ。「個人的には1年の時に西が丘のピッチ踏めたのは大きかった。でも2年目は怪我で出られなかった。キャプテンとして今年西が丘のピッチ踏めないと、後輩たちを西が丘に連れていけないと、経験がなければあそこに立った時に緊張してしまうと思う。まず西が丘へ行って、そこで勝って、そして全国へ行きたい」。選手権予選は準決勝から西が丘での試合。唯一その舞台を知る主将は、チームにその経験を伝え、西が丘で今年こそ歓喜を味わう。

(取材・文 吉田太郎)

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