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幾多の好機を生かせず3失点敗戦に、憲剛「今日は前の責任」

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[9.7 ナビスコ杯準々決勝第2戦 川崎F2-3(2試合合計5-4)C大阪 等々力]

 その存在感には、チームメイトも脱帽する。川崎フロンターレのMF大島僚太は「あそこでボールを収めてくれますし、前に出してくれるので。ボランチの位置からすると、ボールを出して、また戻ってくるというより、前に行ってくれるので助かります」と、試合終盤の約13分間プレーしたMF中村憲剛の推進力がチームをもたらす好影響を口にした。

 FW大久保嘉人が、C大阪FWカカウの激しいチャレンジを受けて負傷。「何分か出られればいいなと思っていた」という川崎Fのキャプテンは、2-2で迎えた後半32分からピッチに立った。後半に入り、なかなかボールを前に運べなかった川崎Fだったが、中村はFWレナトにスルーパスを通してシュートチャンスをお膳立てする。

「スペースがあったから、チャンスはつくれると思った」というゲームメーカーは、同38分にも痛めていた左足でシュート。「力が抜けて良い所にいった」と振り返る一撃は、惜しくも右ポストに嫌われ、こぼれ球を回収したFW小林悠のシュートも左へ外れた。

 C大阪を突き放すチャンスを何度もつくりながらも、相手の闘志を消す得点を挙げられなかった。「あれだけ外したら、向こうも頑張るよ。決まるだろうっていうね、ただのチャンスじゃないから。超決定的なチャンス。それを2本、3本外せば、それはセレッソも最後、勇気が出るというか。自分たちで招いていることなので」と、フィニッシュの精度を欠いたことに苦言を呈した。

 結局、川崎FはアディショナルタイムにMF南野拓実に決勝ゴールを決められ、第2戦は2-3で敗戦。「南野くんのシュートも良かったし、あそこから打ってくるとは、コミ(小宮山尊信)も思っていなかったと思う」と、相手13番のシュートを誉めつつも「(C大阪は)3バックにして、4トップで、なかなかこういう布陣にお目にかかることはない。その分、こっちもビッグチャンスがあるわけだから、そこで決めきればいいというだけの試合だった。今日は前の責任。3失点しましたけど、それ以上に得点を取れた試合だと思う」と、反省した。

 それでも悪いことばかりではない。「来週に向けての試運転というと言い方がおかしいですが、等々力の雰囲気も感じられたし、負けたことだけが残念。あとは、また来週しっかり準備するだけです。またリーグ戦は別の大会。嘉人と(大島)僚太もいないし、やらないといけないので」と、意気込む。得点源の大久保を出場停止で欠き、大島もU-21日本代表としてアジア杯に出場するなか、ケガで第1戦を欠場した大黒柱の実戦復帰は、チームの2年連続4強進出と並ぶ、大きなポジティブな要素だ。

(取材・文 河合拓)

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