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2戦目は黒星も…4強進出の 川崎F FW大久保「そういうルールですから。勝ちは、勝ち」

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[9.7 ナビスコ杯準々決勝第2戦 川崎F2-3(2試合合計5-4)C大阪 等々力]

 またしても、高い決定力を見せつけた。川崎フロンターレのFW大久保嘉人は、7日に行われたナビスコ杯準々決勝のセレッソ大阪戦に先発出場。後半13分には自陣深くからGK杉山力裕が大きく蹴ったボールを、FW小林悠がフリックすると、こぼれ球を回収して流れるような動作でDFをかわし、左足でシュートを決めた。川崎Fは第2戦こそ2-3で落としたが、この大久保のゴールが決勝点となり、2試合合計5-4で4強に名乗りをあげている。

 8月30日に行われたJ1第22節の名古屋戦で大久保は、広告看板を蹴り、破損させたことで、リーグから13日の徳島戦と20日のF東京戦の2試合について出場停止処分を受けた。処分決定後、初の試合となったC大阪戦、「(この後)2試合出られないですからね。それもあって、オレは前半から飛ばしました。だから、いつもより動いていたと思う」と言う大久保は、前線から中盤まで幅広く動き、チームの動きを活性化した。

 3-1で第1戦を勝利していた川崎Fだが、序盤から攻撃が空回りしたC大阪の隙を突き、左サイドからチャンスをつくった。そして前半35分には、「こっちは先に2点取られてもいいというのが頭にあったけど、先に点を取りに行こうとした。失点しないようにして、先に点を取ろうとしていた。プラン通りだったと思います」と大久保がいう、先制ゴールが決まる。

 起点となったのは大久保だった。相手のパスを自陣でカットすると、攻め残っていたFWレナトにピンポイントのパスを送る。ボールを受けたレナトが、ドリブルから得意の左足で先制ゴールを叩きこんだ。「トラップした瞬間にレナトを見ました。あとは、どう速いボールをレナトにつなげるかを考えて、走りながら体の状態を蹴れる位置に持って行きました」と、大久保はアシストを振り返る。

 そして後半13分には、冒頭のゴールを決めて、準決勝進出を大きく引き寄せた。その後、同点に追いつかれた川崎Fは、同32分にはFWカカウに「足を思い切り蹴られました。足にボレーシュートを食らった」大久保をケガで失う。大久保との交代でピッチに入ったMF中村憲剛は決定機をつくったが、これを生かせなかったチームは、アディショナルタイムに逆転ゴールを食らい、第2戦で逆転負けを喫した。

 それでも、大久保は「欲を言えば、勝って準決勝に行きたかったか?」という問いに対し、「いや、これがサッカーでしょ」とキッパリ。「(第2戦に)負けても、勝ちと一緒ですもん。いいんじゃないですか、別に。そういうルールですから。勝ちは、勝ち」と、淡々と話す。出場停止となるリーグ戦についても「チームに迷惑を掛けてしまいますが、みんな頑張ってくれるんじゃないですか」とチームメイトへの信頼を口にしていたが、看板を壊したことについては「反省しないとダメですね」と、頭を垂れた。

(取材・文 河合拓)

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