武藤&柴崎が代表初ゴールも…ベネズエラと2-2ドローでアギーレJ初勝利ならず
[9.9 キリンチャレンジ杯 日本2-2ベネズエラ 日産ス]
日本代表は9日、キリンチャレンジ杯でベネズエラ代表と対戦し、2-2で引き分けた。後半7分、途中出場のFW武藤嘉紀が代表初ゴールとなる先制点を決めるが、同13分にPKで失点。後半22分にはMF柴崎岳のデビュー戦ゴールで勝ち越したが、同26分に再び追いつかれ、ハビエル・アギーレ監督就任2戦目での初勝利はならなかった。
日本は5日のウルグアイ戦(0-2)から先発5人を変更した。FW大迫勇也、FW柿谷曜一朗、柴崎、DF酒井高徳、DF水本裕貴がアギーレジャパン初先発となり、柴崎は先発でA代表デビュー。システムは4-3-3を採用し、中盤のアンカーにはウルグアイ戦に続いてDF森重真人が入った。
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キックオフ直後の開始13秒、FW本田圭佑が左足ミドルを放ち、いきなりのファーストシュートとなった。しかし、前半3分に相手FKからDFオスワルド・ビスカロンドにフリーでヘディングシュートを許すと、これは枠を外れたが、前半11分にはMFロベルト・ロサレスが左足の強烈なミドルシュート。GK川島永嗣が横っ飛びで弾いた。
日本はアンカーの森重も最終ラインに加わってビルドアップし、両サイドバックの酒井高、DF長友佑都が高い位置を取るが、なかなか効果的なボールが前に入らず、手詰まりとなる時間が続く。前半23分、ハーフウェーライン手前から柴崎が1本のロングフィードを狙い、走り込んだ本田が左足ボレーで合わせたが、枠外。同28分にはDF吉田麻也のクリア気味のロングボールを大迫がキープし、自ら右足でロングシュートを打ったが、GKにキャッチされた。
なかなか決定機をつくれない日本はミスからピンチを招く。前半29分、MF細貝萌のバックパスを奪われ、FWマリオ・ロンドンがフィニッシュまで持ち込むが、川島が左足1本でセーブ。同33分にも柴崎のパスミスからMFルイス・マヌエル・セイハスが右足ミドルでゴールを狙った。同36分にもバックパスを受けた川島のキックが相手に奪われ、サロモン・ロンドンにシュートを打たれた。
日本は前半38分にようやくチャンスをつくる。柴崎の縦パスを大迫が落とし、森重がスルーパス。柿谷がゴール前に抜け出したが、右足のシュートは至近距離でGKに阻まれた。直後の39分には本田の右クロスから柴崎がつないで、柿谷が倒れ込みながら右足でシュート。しかし、これもGKの正面を突く。前半終了間際には本田と柿谷がポジションチェンジするなど局面の打開を図るが、前半は0-0のまま折り返した。
日本はハーフタイムに2選手を交代。大迫、柿谷に代わってFW岡崎慎司、武藤がピッチに入った。3トップは右から本田、岡崎、武藤に変更。すると後半7分だった。ハーフウェーラインをわずかに越えたところでボールを受けた武藤がドリブルを開始。相手選手一人を振り切って、PA近くまで持ち込むと、迷わず左足を振り抜いた。ゴール右隅にねじ込む先制点がアギーレジャパン第1号ゴール。デビュー2戦目での武藤のA代表初ゴールで日本がリードを奪った。
ところが、5分後の後半12分、自陣PA内でMFアレハンドロ・ゲラを水本が倒してしまい、PKを献上。マリオ・ロンドンのキックは川島の逆を突いてゴール右隅に吸い込まれ、1-1の同点に追いつかれた。それでも直後の後半16分には長友からの浮き球のパスに岡崎が反応。最終ラインの背後を取って右足ボレーで狙ったが、惜しくも枠を外れた。
すると後半22分、日本は狙いどおりの速攻から勝ち越しゴールを奪った。自陣で柴崎と武藤のパス交換から武藤が左サイドのスペースに展開。岡崎がドリブルで駆け上がって、ゴールライン際までえぐると、折り返しに走り込んできたのが柴崎だ。ワンバウンドしたボールをしっかりと右足でミートするボレーシュートをゴールネットに突き刺した。
後半25分にはゴール正面の位置で柴崎がFKを獲得。本田が左足で壁の外側を巻いてゴールを狙ったが、惜しくも左ポストを直撃した。日本に流れが来ている時間帯だったが、守護神がまさかのミスを犯してしまう。後半26分、ベネズエラはDFガブリエル・シチェロが左足を振り抜くロングシュート。ブレ球のキックをキャッチしようとした川島が後方にこぼし、ゴールに吸い込まれた。痛恨のファンブルで2-2。試合は再び振り出しに戻った。
日本は後半30分、細貝に代えてMF田中順也を投入。田中は左のインサイドハーフに入り、柴崎が右に回った。6万4007人の大観衆が見つめる中、みたび勝ち越しゴールを目指して最後まで攻撃の姿勢を貫いたが、3点目はならず。試合前日には「選手全員を見たい」と話していたアギーレ監督だが、交代枠は3枚使っただけで、MF扇原貴宏、DF松原健は2試合連続で出場機会がないまま試合はタイムアップ。2-2の引き分けでアギーレジャパン初勝利はお預けとなった。
(取材・文 西山紘平)
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