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日本vsベネズエラ 試合後のアギーレ監督会見要旨

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[9.9 キリンチャレンジ杯 日本2-2ベネズエラ 日産ス]

 日本代表は9日、キリンチャレンジ杯でベネズエラ代表と対戦し、2-2で引き分けた。後半7分、途中出場のFW武藤嘉紀が代表初ゴールとなる先制点を決めるが、同13分にPKで失点。後半22分にはMF柴崎岳のデビュー戦ゴールで勝ち越したが、同26分に再び追いつかれ、ハビエル・アギーレ監督就任2戦目での初勝利はならなかった。

以下、試合後のアギーレ監督会見要旨

ハビエル・アギーレ監督
「結果は妥当だと思う。前半は相手が上回っていた。後半、ポストに当たったシュート(本田のFK)が決まっていれば、試合を決定づけることができていたと思う。しかし、妥当と言えるドローになり、これから試合を続けていくしかない。新しく活躍した若い選手については、2試合を通して満足している。そして、将来のゲームでは、もう少し運が味方してくれればと思う。ミスを犯したときに相手が得点を決めないような運だ。しかし、ミスも試合の一部だと思う。選手たち全員のパフォーマンスに満足している。ピッチの中でも外でもよかった。結論としては、これからもまだまだ仕事をしないといけないということだ」

―練習でやったことが試合で出ていたと思うが?
「1週間という短い期間、練習を続けてきた。私が指導してきたこともあるが、指導したこと以外でも『自由にプレーしてほしい』と試合前に選手には伝えた。ピッチ上では選手が判断を下さないといけない。私は選手にアイデアを与えるが、それを発展、展開させるのは選手たちの判断だ。選手個々を見て、満足いくところもあった。いい素材がそろっているから、あとはそれをチームとしてまとめるための時間が必要だと思う」

―4-3-3のシステムには手応えをつかんだか?
「こういった試合で日本にとってどういったシステムが最適かを見ていきたい。同時に選手たちも見ていく。1戦目と2戦目を比較すれば、2戦目になって良くなったと思う。そして成長し続けたいと思っている」

―今後、どういったことに取り組んでいくか?
「まず、より堅い守備ができないといけない。守備であまり運が味方してくれなかったが、2試合で4失点は多すぎると思う。そしてボールを持ったときはもっと速く回さないといけないし、ボールを持った選手にもっとオプションを与えないといけない。ただ、これは始まったばかりで、練習のセッションも5回か6回ぐらいだった。こういったことが起こるのは自然だと思う」

―攻撃はスピードと深さを重視するスタイルのように思えるが? また、深さを出すときにグラウンダーよりも浮き球のボールを使う意図は?
「どういうスタイルを求めるのかと言われれば、上位に行けるスタイルだ。素晴らしいスタイルと言われてもランキングが44位であるよりは、あまり良いと言われないスタイルでも20位以上に行きたい。スタイルはあまり重要視していない。重要なのはより良いプレーをし、勝ち、上に行くことだ。

 スタイルとは違うが、日本人選手の特長はと聞かれれば、スピードがある。そのスピードをどのように生かすかは考えないといけない。2試合でスタイルをつくることはできない。まだ日本代表のスタイルは確立されていない。世界中のどの代表監督にやらせても、5試合でスタイルを確立することは非常に難しいと思う。しかし、それも自然なことだと思う。

 長いボール、短いボール、両方ともサッカーの一部だ。ロングボールを強調して質問される意図が分からない。高いボールは禁止されていますか? 高いボールもサッカーの一部だ。もしかしたらそういったプレーが嫌いなのかもしれないが(笑)」

―日本人はピッチ上で自分の判断でプレーすることが苦手と見られていたが、この2試合をやってみて、日本人選手はピッチ上でアイデアを発展させる能力があると感じたか? また、日本は今日のように勝てそうな試合を落とすことが多いが、勝ち切る力を付けるにはどういったことが必要か?
「私は日本人選手に枠から飛び出して、自分のプレーをしてほしいと頼んだ。自由にプレーしたいと思っていない選手はいないと私は思いたい。私はある形を選手たちに与えるが、それを発展させるのは選手たちの自由だ。チェスやコンピューターゲームのように、このようにやらないといけないというものがあるわけではない。(サッカーは)ピッチの中で人間がプレーを発明しながら、プレーを考えながらやっていくもの。私はピッチの中で考えて判断を下すことを選手に強要する。

 2-1の状況で我々のシュートがポストに当たり、その後に追いつかれるという不運な試合だった。そして私はこの結果は妥当だと思っている」

―アジア杯に向けたテストに合格した選手と、合格しない選手がいたのか? また、選手全員を起用できなかったが?
「マツケン(松原)もタカ(扇原)も使うことができなかった。キーパーのシュウ(西川)とアキ(林)ももちろん出場させたかったが、それも難しかった。しかし、練習で彼らはしっかり見ている。次のリストを見たとき、だれが良くて、だれがあまり良くなかったかが分かると思う」

―この2試合を通して最も収穫だと思ったことは? デビューさせた選手が活躍したことについては?
「2つ目の質問が、一番重要なところ。新しく代表に来た選手がいいプレーをし、しかも結果を残した。他の選手たちについてはある程度情報があり、W杯やヨーロッパのリーグでのプレーを見ていた。その選手たちは期待に応えてくれた。だから、この期間を通して何が良かったかと言えば、新しい血が注入されたということ。将来があるということだ」

―「ゴールをプレゼントしてはいけない」と言っていたが、今日もそういう形で失点した。これは個人の問題なのか、それともチーム立ち上げの時期による構造的な問題か?
「ミスの一番の責任者は私だ。ミスがあったとしても、選手が判断を下してプレーすることは私を満足させるものだ。こういった親善試合でミスが起こることを喜んでいる。そして、アジア杯でこういうことが起こらないことを期待している。そういうミスを相手に利用されないことを願っている。(この2試合は)ミスがあったとき、(相手は)まったく許してくれなかった。すべて決められた」

―2試合勝てなかったが、自分の仕事に何点付けるか?
「それぞれがそれぞれの仕事をしましょう(笑)」

―後半に流れを引き寄せたのは選手交代が要因か? それともハーフタイムに指示をしたからか?
「ハーフタイムに指示は出した。そして交代で入った選手は良いプレーをした。ベネズエラは前半、我々より激しくプレーした。我々より良いプレッシャーをかけ、より良いリズムでプレーしていた。後半はテンポを上げていこうと話して、もっとプレッシャーをかけるようにした。後半に2得点入り、ポストに当たった場面もあった。45分でそれができたことは悪くないと思う。しかし、前半は良くなかった。柿谷の決定機が一つあったぐらいだった」

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