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[アジア大会]割り切った手倉森監督「タフに戦う覚悟を示してくれた」

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[9.28 アジア大会準々決勝 日本0-1韓国 文鶴]

 指揮官は割り切った戦いで勝利を目指した。U-21日本代表を率いる手倉森誠監督は常々、こう語っている。「やりたい理想のサッカーをやれれば最高ですが、勝たないと話にならない。勝つために割り切らないといけないものがある」と。そして準々決勝の韓国戦で、勝ちにこだわろうとした。

 序盤から押し込まれる展開となるが、きっちりと守備ブロックを作って相手攻撃をはね返し続ける。ボールを奪えば、前線に残る1トップのFW鈴木武蔵を目掛けたボールからカウンターを発動させようとした。まずは守備。失点を防ぐことを優先させた。

 そして、守備面は機能した。選手たちは球際でも激しい戦いを見せて、フィジカルに勝る相手と対等に渡り合った。そこは指揮官も評価しており、「タフに戦う覚悟っていうのをこの世代の選手たちが示してくれたのは、非常に頼もしく思います。きれいにサッカーをやりたいと思っていた連中が体を張り、顔面でもクリアするあたりは、強豪国でない日本にとっては、一番大事なベースになる部分だと思います」と語った。

 しかし、攻撃面では課題が残ったとしている。「勢いを持った相手に対してボールを落ち着かせて、日本らしい崩しというのを見せられた部分もありますが、その部分をもう少し広げたい。割り切ってサッカーを進めたときに、どう柔軟に自分たちのリズムに持ってこられるか」と、『割り切り』と同時にテーマに掲げる『柔軟性』の部分での成長が必要だと話した。

 2連覇が懸かりながらもベスト8で敗退したことに対し、「残念だし、期待してもらった人たちに対しては申し訳ない気持ちです。非常に残念」と話しながらも、「ただ自分たちには本番(リオ五輪)が待っているので、そこで示さなければいけないと思っています」と前を向いて語っている。

(取材・文 折戸岳彦)

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