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Jライセンス、半数以上の24クラブが屋根・トイレ不足…指摘は厳しい?

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 Jリーグは9月29日に2015年シーズンのJクラブのクラブライセンスの判定結果を発表した。ライセンスは44クラブに交付され、そのうちJ1ライセンスは37クラブに交付された。

 クラブライセンス制度は2013年から導入され、今回で3度目の更新時期を迎えた。この制度はJリーグに加盟する各クラブが競技、施設、組織運営・人事体制、法務、財務の5分野で基準を定め、Jリーグとは独立した第三者機関であるクラブライセンス交付第一審査機関(FIB)がライセンス交付の審査・決定を行う。弁護士4名、公認会計士4名、有識者2名の計10名から構成され、10名のうち9名が3班に分かれて、それぞれ14~15クラブを審査し、最後に1名が総議長としてライセンス判定を決定する。

 クラブライセンス交付規則は、内容の重要性に応じて、「A」「B」「C」の3つの等級に区分されている。A等級はライセンス交付には必須で、これを満たさないとライセンスを失うことになる。大きな話題を集める3期連続赤字などの財務項目はこれに該当する。B等級はライセンス交付には必須だが、ライセンスを失うわけではなく、制裁のみが科せられる基準。C等級は将来的に必須となる可能性があるものと分類されている。

 発表された中で、「多すぎるんじゃないの?」と、ちょっとした話題となったのが、各クラブのスタジアムの屋根・トイレ不足への指摘だ。これは上記の分類ではB等級に該当。基準を満たしていないクラブには制裁が科されることになる。規定では屋根に関しては観客席の3分の1以上が覆われていなければならないという規定があり、トイレは、1000名の観客に対し、少なくとも洋式トイレ5台、男性用小便器8台を備えなければならないと定められている。ただトイレに関しては基準未充足であっても判定の計算根拠となる観客席の数を「満員」から「60%入場」を母数として判定した場合に基準を充足していれば、制裁が免除されるという項目もある。

 制裁対象となったクラブは44クラブ中、半分以上の24クラブ。トイレと屋根両方の不足を指摘されたのは11クラブにも及んだ。具体的にはAFCの主催試合の開催不可の可能性を通知し、改善計画を2014年12月31日までに提出するといった制裁を科し、2015年の審査時に計画の進捗が見られない場合には「戒告」とするといった内容も付け加えられていた。判定結果はこちら

 ゲキサカではライセンスの判定結果が出た翌日にこの屋根・トイレ不足に関するアンケートを実施。規定は『健全』『厳しい』『どちらでもない』という項目を作り意見を募集した。

 結果は約半数の49.1%が『健全』と回答。意見の中では「快適な観戦環境を提供するのは当然」(はったん) 、「利用が集中するハーフタイムに利用者を捌く事が出来ず、後半の開始に間に合わない事態が発生してしまう」(コウ)、「日本のスタジアムはヨーロッパのスタジアムに比べるといろんな面でまだ、劣っているスタジアムが多い。こういった規定をもっと設けて、どのチームも快適なスタジアムを作ってほしい」(まきさん) といった意見が寄せられた。

 反対に『厳しい』と答えた意見も37.1%を数えた。(どちらでもないは13.8%)。「屋根3分の1以上は厳しいのではないでしょうか」(観葉植物) 、「ほとんどのチームで満員にならないスタジアムに厳しい条件を設けるよりも、他に資金をつぎ込めるほうがいいと思う」(カツマロ)といった意見が聞かれた。その他意見はこちら

 ただスタジアムの改修に関しては自治体の協力が必要不可欠となるところが多い。となると、クラブだけの問題ではなくなるので、難しい問題だ。また今後はスタジアム基準に関しても一律ではなく、人口密度など、臨機応変な規定作りが必要になってくるのかもしれない。

[写真]大宮のNACK5スタジアム。屋根不足を指摘された

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