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モウ政権を振り返るカシージャス、「シャビに和解の電話はしていない」

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『カナル・プリュス』とのインタビューに応じる

 レアル・マドリーGKイケル・カシージャスがスペイン『カナル・プリュス』とのインタビューで、ここ数シーズンの間に起こった騒動について語った。

 ジョゼ・モウリーニョ監督がマドリー指揮官を務めた最後のシーズンから、様々な論争の中心人物となったカシージャス。スペイン代表GKは、現チェルシー指揮官との関係性について、次のように話している。

「おそらく、モウリーニョに言い返さなければならなかった。だけどクラブのために口を閉ざすことを選択したんだ。火に油を注ぎたくなかったからね。何もしゃべらなかったことに非難もあったよ。思うに、彼の方が憤りを感じていただろうね。僕たちは良い関係にはなかった。それだけだよ。僕は黙ることを決めた。自分は誰のことも非難していないし、バツの悪い思いをさせようともしていない。普通であれば、話していただろうけどね」

「モウリーニョが率いていた頃のマドリーは、僕たちにとって素晴らしいものだった。僕はこれからも、そう考え続けるだろう。バルサとの差を縮めることができたしね。最初の頃はとても素晴らしく、最後はそうでもなかった。だけど自分からは、監督に対して最大限の敬意を払うよ。ただ自分の納得のいかないことがあったら、それについて話し合わなければならない。その上司に敬意を持ちながらね」

 カシージャスはモウリーニョ監督が率いたチームで、左手の骨折をきっかけとしてレギュラーの座を失った。

「負傷していた頃にはバルセロナ戦やマンチェスター(・ユナイテッド)戦の遠征に帯同できるよう頼んだよ。チームとともにいたかったからね。負傷から復帰したとき、(当時の助監督)アイトール・カランカから、自分には競争に臨むだけの力がないと話され、そこでモウリーニョとの間に問題があると感じた。フロレンティーノ・ペレスの自分の扱い? 見捨てられたとは感じていなかった。そうではなく孤立感があったんだ」

 大きな緊張が走った当時のクラシコで、カシージャスは和解のためにバルセロナMFシャビ・エルナンデス、カルレス・プジョル氏に電話をしたとされ、それがモウリーニョ監督の逆鱗に触れたとも報じられた。しかしカシージャスは、その電話が和解目的ではなかったことを明かした。

「真実ではないことが話されている。僕はシャビとプジョールに電話をかけたが、それは互いを非難するためだった。あの頃の試合は本当に悲しむべきもので、それぞれが自チームのことだけを考えていたんだ。バルサ対マドリーは前から緊張感のある試合だったけれど、あの2-3(2011-12シーズンのスペイン・スーパーカップ)の一戦から収拾がつかなくなったんだよ」

「僕はシャビ、プジョルと話をした。あらゆることを言い合ったよ。彼らは自分たちのタックルのことを口にして、僕は彼らの審判への抗議について話した。イケル・カシージャスはシャビに謝罪なんてしていない。『後々、この付けが回るぞ』と言うために電話をしたんだよ。モウリーニョはそう思っていなかった? それは彼に聞いてくれ。自分には何も言わなかった。それが事実なんだよ。僕がシャビに謝ったというのは嘘だ」

 またモウリーニョ監督とのやり取りなどをメディアにリークしたなどの噂により、一部ファンに“トポ(スパイ)”と称されたことにも言及している。

「“トポ”と呼ばれるのは少し不当だと思う。人々がそのような動きを見せるのは理解できるし、受け入れなくてはならない。監督や会長が、僕が“トポ”であるとは考えていなかったと思いたい。自分が多くの記者と良好な関係にあることは、みんなが知っている。記者たちのことは、16歳から見知っているんだからね。ただ、それが記者との関係、友人との関係を、切り分けられていないことを意味するわけじゃない」

 自身のパートナーであり、テレビレポーターを務めるサラ・カルボネロさんが、モウリーニョ監督がマドリーを率いていた時代に「ロッカールームの雰囲気は悪い」と話したことについても触れた。

「サラの言葉は僕を攻撃するために利用された。そこから問題が生じたんだよ。それから彼女に語ってもらうため、自分が情報を与えていると言われるようになった」

 当時には、やはりマドリー退団を考慮していたようだ。

「確かに、ここを後にすることを考えた。誰の邪魔もしたくなかったし、悪い雰囲気を生み出しくなかった。マドリーにはいつだって勝ち続けてほしいからね。だけど、その後に『競争し、戦わなくてはならない』と考え直したんだ。退団に向けて、何かしらの動きを見せたわけじゃない。それは人々が話していたことで、具体的なオファーなどなかった。あの頃も今も、自分の考えはここでキャリアを終えることにある」

 カルロ・アンチェロッティ監督がマドリー指揮官となった昨季、現ミランGKディエゴ・ロペスがリーガでレギュラーを務め、カシージャスはチャンピオンズリーグ(CL)とコパ・デル・レイでゴールを守っている。

「監督からCLとコパで起用し、リーガはノーと言われたときには、うまくいくのか分からなかった。だけど、すべてがうまくいったね。僕を“トポ”と言う人間がいるように、自分が天使だと言ってくれる人もいるんだ」

 再び全コンペティションでレギュラーを務める今季には、本拠地サンチャゴ・ベルナベウの一部ファンからブーイングを浴びせられた。

「観衆はすべての権利を有するが、もう一方には心があり、痛みだって感じる。レアル・マドリーで15年間も過ごせば、観衆の要求が厳しいことだって十分に分かっているよ。2年前から様々なことが起こった。魔法か何かで、馴れ親しんだことに触れられないのかは知らない。それでも出場機会が少なかった昨季に、全員にとって最高のシーズンを過ごすことができた」

 確執が噂されるDFアルバロ・アルベロアとの関係についても話した。

「チーム内におけるアルベロアと僕のものの見方には相違がある。僕たちの関係は5~7年前のようなものではないが、礼儀にかなったものだ。昔のようなものではないけど、何でもないことだよ」

 そして、マドリーに対する愛情を今一度強調している。

「ここが僕のホームだ。ずっとそう感じてきたんだよ。時間を守ることから、すべてをここで学んできた。マドリーなしの人生など考えられない」

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