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[MOM1137]関東一MF尾山直己(3年)_3年間磨いた守備で台頭「真ん中にズドンと構えてやる」ボランチ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.4 全国高校選手権東京都Aブロック予選2回戦 東大和高 0-7 関東一高 駒沢第2]

 J注目のFW角口大征主将中心に高い攻撃力を持つ関東一の中盤に台頭してきた守備力の高いボランチだ。MF尾山直己(3年)は、準々決勝で敗退した全国高校総体予選後に数試合行われた大学生との練習試合から出場機会を獲得。「中学までトップ下でプレーしていました。高校で守備もできないと出ることできないぞと言われて、まず守備を練習して攻撃と守備両方できるボランチになれたと今は感じています。(関東一の中盤には)真ん中にズドンと構えてやる人がいなかったので、自分がならなきゃなと思っていた。練習でも1対1の対応とかあるんですけど、それも全部守備やってそこで守備力高めて頑張ってきました」。ポジションを獲得するために守備力を磨き上げてきたボランチが、関東一に守備の安定をもたらしている。
 
「緊張していました。人の多さが違う。味方としゃべっても何も聞こえないし、監督の指示も寄らないと聞こえなかった」という選手権予選初戦。ただ、尾山はパートナーであるMF坂東智也と中盤のバランスをとりながら、セカンドボールを制圧することを目指してプレー。球際でのチェックは厳しく、また攻撃では左足でサイドに展開するなどゲームメークしつつ、チャンスがあればラストパスを繰り出してアシストも記録した。「(序盤は)中盤で取られてカウンター食らう場面があったんですけど、自分は守備が得意なので守備のところをまず最初に心がけてやっていました。だんだん後半になってボール持てるようになって、自分のペースでどんどんパス出して攻撃の起点になれたと思います」

 持ち味の守備力を発揮して無失点で終え、大勝にも貢献した尾山を小野貴裕監督も評価。本格的なサッカーは高校までと決めているという尾山は「まず目の前の試合から集中していく」と誓った。「今まで3年間ディフェンス中心にやってきた」という自信を持つ守備でチームの勝利にひとつでも貢献すること。そして関東一にとって初めてとなる選手権全国大会出場を果たして、卒業する。

(取材・文 吉田太郎)

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