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前半AT弾も実らなかった川崎Fジェシ「みなさんに謝罪したい」

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[10.12 ナビスコ杯準決勝第2戦 川崎F 3-2(2戦合計4-5) G大阪 等々力]

 流れを変える一撃になるはずだった。1-2とリードされた前半アディショナルタイム、川崎フロンターレはDFジェシがCKからヘディングでゴールを叩きこみ、第2戦のスコアを2-2に戻した。

 初戦を1-3で落とした中、試合前から2点が必要だった川崎Fは、怒涛の攻撃を見せてG大阪を押し込んだが、フィニッシュを決めきれなかった。逆にG大阪に4本のシュートのうち2本を決められて、手痛いアウェーゴールを喫した。1失点目の場面では、MF倉田秋の縦パスに反応したジェシが、スペースを空けてしまい、失点していた。

 2失点を喫した時点で、川崎Fは4点が必要となっていた。点の入りにくいサッカーでは、絶望的な点差だが、ジェシはアディショナルタイムにゴールを決め、チームを鼓舞した。後半6分にもMF森谷賢太郎が1点を返したものの、反撃もそこまで。試合終了と同時に、ジェシはピッチ上で悔しさを露わにした。

「今日の結果はすごく残念だと思います。アウェーでの第1戦の結果が、今日の試合をさらに難しくさせまし「た。このチームは頂点にたどり着ける能力があるのに、このような結果になったことが最も残念です」と唇を噛んだ。

「本当に悲しい気持ちでいっぱいでした。フロンターレに来るときに『タイトルをもたらす』と強く思っていましたし、そのために大変なことも乗り越えてきました。家族も、常に支えてくれていました。試合終了直後は、いろんなことが頭に走馬灯のように浮かんでいましたし、残念な気持ちでいっぱい。それ以上の言葉が見つかりません」

 そして、サポーターに「謝罪したい」と言葉を続けた。「みなさんに『すみませんでした』と言いたいです。自分たちが望んできた結果を得られませんでしたし、みなさんが望んだ結果でもないと思います。そのことについて、謝罪します。このようにたくさんの人たちにスタジアムに足を運んでもらって、本当なら笑顔で家路についてもらって、その顔を見て自分たちも幸せになれたのですが、笑顔をもたらせませんでした。準決勝で負けてしまったことについては、謝罪をしたいと思います」。

 悲しみに暮れるジェシだが、リベンジの場はある。18日に行われるリーグ戦で、再びアウェーでG大阪と対戦するからだ。「すぐにJリーグでガンバ戦がありますし、優勝のチャンスもあります。首位の浦和など、上位チームが負ける可能性もあると思うので、まずは自分たちが結果を出すことを大切に、最後の最後まで戦いたい。そうすれば、自分たちにまた大きなタイトルが転がってくることもあると思うので、しっかりと顔を上げて、今日のことを忘れて次に進んでいきたいと思います」。この日の試合、最後まで攻め上がってゴールを目指したDFは、懸命に気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)
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