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[MOM1143]帝京安積GK鈴木貴俊(3年)_初の4強導くPKストップ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.11 全国高校選手権福島県予選準々決勝 帝京安積高 0-0(PK4-3)学法石川高 鳥見山陸]

 PK戦含めて勝つことにこだわった帝京安積高。指揮官の期待を越えるプレーでチームを4強へ導いたのがGK鈴木貴俊(3年)だ。0-0で突入したPK戦はともに2人目が失敗し、3-3で5人目へ。ここで鈴木貴は学法石川MF安部友稀主将のキックを左へ跳んでストップする。チームメートのMF鈴木順一朗主将から「相手が平工の時に(PKで)右に蹴っていたので、貴俊にそっち(GKから見て左側に)跳んでと言いました」とアドバイスを受けていたという鈴木貴は、「前に外しているチームメートがいたんで、流れ変えられたらなと思って思い切り跳びました。相手がキャプテンだったので、ここで止めれば流れがくると思いました。(アドバイスに加えて)雰囲気で左蹴りそうだったので、あとは思い切り。1本止めれば良かったので、その一本に集中しました」と完ぺきなセーブ。直後に鈴木順が決めてチームは初の4強進出を決めた。鈴木貴は「やっぱり、うれしかったです」と仲間と笑顔で喜びを爆発させていた。

 全国高校総体予選終了後から徹底的にPK戦の練習をしてきたという帝京安積だが、鈴木貴は練習でもなかなかPKを止めることができなかったという。小田晃監督も「止められないです。だから(相手が)外すことを祈っていたんです」と本音を口にする。加えて鈴木貴にとっては高校進学後、これが公式戦で初めて経験するPK戦だった。それでも5人目、試合中から正確なキックを蹴っていた学法石川・安部のシュートをストップ。これについては指揮官も「最後は良く彼が止めてくれました」と目を細めていた。

 この日は延長戦を含む100分間の戦いを無失点で凌ぎ切った。ディフェンスラインに感謝し「ゼロでおさえられたのは役割を果たせたと思います」と胸を張った。ただし、県制覇を目標に掲げるだけにまだまだ満足感はない。「GKなので、一番見えるポジションなので後ろから鼓舞していくのが自分の特長。きょうも鼓舞できるように意識していました。今年は絶対にベスト4越えて、(準決勝で)また富岡とできるので絶対にリベンジを果たしたいと思います。ここまでゼロで来れているので、ディフェンスラインと頑張ってゼロに抑えたいと思います」。今大会無失点。懸念のPK戦でも大仕事をしてのけた。昨年0-6で敗れている富岡は強敵だが、後方からチームを鼓舞し、チームメートたちともにゴールを死守する。 

(取材・文 吉田太郎)

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