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日本vsブラジル 試合後の選手コメント

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[10.14 国際親善試合 日本0-4ブラジル シンガポール]

 日本代表は14日、シンガポールのナショナルスタジアムでブラジル代表と対戦し、0-4で敗れた。FWネイマールが国際Aマッチで初の1試合4ゴールをマーク。アギーレジャパン初の海外での強化試合はブラジルのエースの独壇場となり、4失点の完敗を喫した。

以下、試合後の選手コメント

●FW本田圭佑(ミラン)
―結果について
「悔しいですよね。初めてブラジルに負けた日とは比べものにならないほど、何回もやっているわけですから、そりゃ悔しいです。悔しいし…現実ですよね」
―普通にやれば0-4ではないと思うが? 釈然としないのでは?
「結果は大差が付いたけど、どんな形であれ、毎回しっかり負けている。どんな状況であっても、ハードスケジュールの中、乗り込んできてもしっかり勝っている。前半のうちに1点取って、優位に試合を運んでいるというところだけで答えが出ていると思う」
―スコアについては?
「もちろん0-1で負けるのと0-4で負けるのとでは精神的なダメージが違うし、悔しさは倍増するけど、自分としてはやりながら、勝ちにいきながらも、前にやったときと比べてより多くを学んでいるというか、やるたびに彼らから大きなものを学んでいるし、彼らが自分たちより上ということを再確認するたびに、もっとやっとやろうと思う。悔しさは常に前進する糧になっている。いつかは、という思いを常に持っている」
―3度目だが、今までと違うブラジルの強さを感じた?
「そういうのはない。前半を見ていて、たぶん今日はこういう結果になるとは皆さんも思わなかったのではないか。でも、実際はなっているから、そこは細かいことを言えば、いろいろあるだろうけど、リードしてからのブラジルの戦いはさすがだなと思う」
―先発を外れて、どこか試験的なところが日本にはあったが、それをどう受け止める?
「監督がそういうビジョンを持って進めていくのは当然だろうし、選手たちは、自分たちは勝ちたい。後半は自分も出て、何かしら結果を出したかったという気持ちはある。監督は、意図した計画を持って、アジア杯に向けて物事を進めているんでしょうけど、選手はやはりチャンスを与えられたのだから、そこで結果を出せなかったのは残念のひと言です」
―ブラジルとは頻繁に対戦できないが、ここで試して良かったのか?
「それは一つの論だと思うけど、言い換えればブラジルだからこそ、テストになり得るということもある。考え方は両面があると思う」
―ザッケローニ監督のときとは違って早いタイミングでブラジルと対戦して大敗したが、プラスになることは?
「当然、結果は大事だけど、チームとしてはまだ始まったばかり。選手も固定する気配はないから、みんな所属チームでしっかり成長して、代表に集まる。パワーアップして集まることですよね」
―元チームメイトのカカは途中から入って得点に絡んだ。
「そういう面でも悔しかった」
―日本戦でネイマールは7点取っているが?
「すごいなと思いますよね。アルゼンチン戦はあれだけチャンスで外していたのに、得点王になったりする選手というのはこういうところで4点、5点取るんだなと思いました。リーガはメッシとクリスティアーノ(・ロナウド)がすごいけど、ネイマールから学べることは多い」
―こういう試合では本田選手がゲームメークをやった方が良かったのでは?
「ちょっと整理は必要だとは思うけど、変えるつもりはないと思ってますけどね。それだと意味がないというのはありますからね。今のところはね」

●FW小林悠(川崎F)
「前半は守備に追われる時間が多かったけど、そんなにやられるということはなかった。しっかり組織としてやれていたし、チャンスも何度かあった。そういうところで決められるか決められないか。そこが強いチームとの差かなと思った」
―Jリーグとの違いは?
「やっぱり足が出てくるという部分で、日本人だと出てこないところで出てくると感じた。守備の範囲、一歩の大きさは海外の選手特有。日本では味わえないと思った」
―初先発がブラジル戦という難しさは?
「そういう難しさの中でやれたことは全部、自分の成長につながる。強いチームとやって、肌で感じたことは全部、自分の成長につながる。すごくいい経験になった」
―チームとしてのプランは?
「ジャマイカ戦と同じような気持ちで入っていけと監督は言っていたし、選手同士でも守備に追われる時間が長くなるかもしれないけど、みんなで頑張って少ないチャンスをものにしようと話していた」

●FW岡崎慎司(マインツ)
「決める決めないで、自分の価値が証明される。大事なところで決めないとFWじゃない。ああいう状況で点を取れば、相手も警戒する。0-4という結果で、いつもどおりと思われるかもしれないけど、自分としてはあれを決めていればというのがある」

●FW武藤嘉紀(F東京)
「何とか流れを変えたかったけど、相手のペースのまま進んでしまった。途中出場は流れを変える役割、得点に絡むことが求められるけど、そこは何もできなかった」
―積極的に仕掛けていたが?
「積極的に行かないと世界との差は見えない。チームが消極的になっている中、自分が流れを変えたいと思っていたけど、できなかった。自分で行くところと簡単に使うところの判断もよくなかった。その質も上げていきたい」
―ブラジルとの差は?
「ブラジルの選手はあれだけ悪いピッチでもタッチが大きくなったりしない。芝のせいにはできないけど、技術だったりスピードで大きな違いを感じた。そのレベルにまで自分が上がっていきたいという目標ができた。世界トップレベルになるために日々努力していきたい」
―過去3試合にはない感覚があった?
「生まれて初めてこれだけの差を感じた。まだまだ自分が下手だと思ったし、もっともっとうまくなりたいと思った」

●FW柿谷曜一朗(バーゼル)
「前半、相手は動きにくそうだったし、日本にチャンスはあると思ったけど、やはり仕事をさせてしまうと、乗ってしまって良いプレーを続けられるというのは見ていて分かった。こういうピッチでも技術的にブラジルは良いものを出していた。そういうところの差はこれから求めていかないといけない。個人的なことより、日本対ブラジルで0-4で負けてしまったことが悔しい」
―ブラジルの印象は?
「やっぱり楽しんでやっているし、全員が連動してやっているなという印象があった。サッカーを楽しんでいる、試合を楽しんでいるというイメージがあったが、実際に目の前で見るとそのとおりだった。でも、日本も絶対に勝てないということではないと思ったし、これからの課題が見えた。本当に貴重な試合だった。個人的にもそうだった」
―課題は?
「もちろんたくさんあるが、今は一つひとつを反省するよりも、まず結果を素直に受け止めて、各々が各チームに帰って、しっかりトレーニングに励むことが大事だと思う」
―チャンスで決め切ることが重要?
「僕だけじゃなく、全員が90分を通して相手に勝てるメンタルと技術を常に持って試合に臨めるようになれればいいかなと思う」

●MF柴崎岳(鹿島)
「思い描いていた理想はもちろん勝つこと、内容が伴わなくても勝つことだった。チームの狙いは(失点を)ゼロに抑えながらカウンターでチャンスを狙うというものだった。ミスが重なって失点したことは事実としてある。受け止めて、素直に認めないといけない」
―ミスが失点につながった。
「スピーディーなカウンターを持っているチーム。そういったミスを見逃さないし、ものにするのが質の高さ。一つの教訓として、いろいろ思うことはある。前半はしっかりバイタルにパスを入れて、チャンスをつくった部分もあった。後半、失点が増えてからはリズムをつかめず終わったけど、いい部分はしっかり分析しないといけない」
―守備の連係は?
「前回とはメンバーも代わってうまくいかない部分もあった。個人の技術の高さもあったし、集中力というか、1失点目は少し相手を見てしまっていた。2点目はミスからスピーディーなカウンター。改善はできると思う。僕も守備の意識を改善しないといけないというのは見えている。常にチームにいい影響を与える選手でいたいし、今日は悪い影響を与えてしまったけど、今日感じたことはしっかり分析して、鹿島でやれることもあるし、ここでしか味わえないこともある。こういった中でしか成長できない部分もあると思う」
―ネイマールの印象は?
「全ゴールを決めているし、刺激になる部分というか、もっともっと自分を戒めるというか、冷静に分析する必要があると思う。ただがんばるというのではなく、具体的な目標を持ちながら、一つひとつのパートで強度を上げて、焦点を絞ってレベルを上げていかないといけない。ああいう選手のいるチームと対峙して、防ぐこと、上回ることを目指していかないといけないけど、並大抵の成長速度では自分の現役中にはこういうチームに対応できない。トップフォームの中で成長速度を上げて対応できるようになっていきたい」
―ショックもあった?
「ショックはショックだけど、認めないといけないし、認めて、受け入れてから始まる部分もある。ネガティブではなく、プラスのほうに自分を導いていくことも大事だと思う」
●DF森重真人(F東京)
「難しいところはあった。僕はとにかくスタメンで出たいと強い気持ちで思っていたし、メンバーが変わったにしろ、今日の試合は勝ちたかった。うまくみんなが守れて、ワンチャンスで決めることができたらチャンスがあるのかと思っていたけれど、でも、力の差を考えたら妥当な結果だったと感じている」
-ブラジルの流動的な攻撃に受け身になったが?
「相手との力の差を考えた上でのやり方だったと思う。それにチーム全員が徹してやればそれは大きな力になると思うので、別に今日のやり方が間違っていたわけではない。今日のやり方をすると決めたのであれば、全員でそれに集中することが必要だった」
-ネイマールにドリブルでアタックされたが、想定以上?
「前半に関しては、自分たちの守る部分では、1失点の場面以外ではやれたと思うけど、でもやっぱり守るだけでは勝てないとも感じている。かと言って前から奪いにいくのかというと、それは考えないといけない。そこは、相手との力の差を考えながら現実的にサッカーをやらないといけないと思う」
-ゲームプランはどうだった?
「押し込んできたときというのは逆にチャンスになると思っていたが、意外と疲れていたのか、そんなに前からプレスをかけてこなかったので、うまくつなげればチャンスもあった」

●MF森岡亮太(神戸)
「ピッチに慣れるのが大変だった。ピッチは実際、よくなかった」
―立ち上がりにネイマールに激しく行っていたが?
「最初に強く当たっていこうと。そこが一番重要なポイントだと思っていた」
―新しい選手が多かったが?
「でもやることは変わらない。ブラジル相手で、引く時間もあるけど、攻撃は自由にという話をしていた」
―試合後にネイマールとユニフォームを交換していたが?
「試合前から話をしていた。あれ(ネイマールのユニフォーム)を見て、今日の悔しさを思い出します」

●DF酒井高徳(シュツットガルト)
―結果については?
「(得点)ゼロだし、4失点したし、結果のとおりという感じです」
―スコアと実際の感触は同じ?
「前半は自分もネイマールに対して付いていくのか、付いていかないのかハッキリできなくて、センターバックに声もかけられなかった。簡単に失点してしまったけど、0-1のあとはしっかり守れていた。チャンスも少なからずあった。あのまま後半もやれていれば良かったけど、早い時間に自分たちのミスで2失点目を喫して、そこからチームとしてもガタッと落ちてしまった。向こうはカウンターがすごいのは分かっていたので、中盤で安易な横パスなど失い方が悪かったのは良くなかった」
―ネイマールへの対応は?
「シオくん(塩谷)が出るのか、俺が出るのか、(柴崎)岳に任せるのか、(小林)悠くんに行かせるのか、ハッキリしたかった。でも前半だけで言わせてもらえば、自分がディレイした状態で相手に2対1をつくられたことはあまりなかったと思う。人にはしっかり行けていたと思う。コミュニケーションは取れていた。付き方は難しかったけど、割とうまく対応はできたかなと思う」
―1失点目の場面はネイマールにうまく斜めに走られたが?
「個人的には自分が付いていけばいいことだった。少しラインを落としてでも、ネイマールより先にコースに入るか、あるいはラインを2mくらい下げて走りに対応するという考えが自分にはあった。周りに相談してみたら、シオくんとかもボールウォッチャーになっていて、ラインを止めたままになっていた。スルーパスへの対応に関して、僕がシオくんにひと声かければシオくんも下がって、あのパスを何とかカットできたと思う。いろいろ修正しないといけないと思ったことはあったけど、一番は自分が付いていけばいいことだった。1失点目は個人的なミスかなと思う」

●DF塩谷司(広島)
―ブラジル相手にできた部分と課題は?
「できたことはないと思う。力の差はあったし、今日経験できたことをチームに帰ってからどう練習で取り組むかが大事だと思う」
―ラインコントロールの部分は?
「ラインを下げるか、止めるかはその状況状況にもよる。一つ判断を間違えたら失点になる。チームにいるときから意識をして、DFラインの駆け引きをやっていかないといけない。技術的なところはこの年齢になって、めちゃくちゃうまくなることはないと思うけど、フィジカルのところは伸ばせると思うし、そういうところはもっともっと鍛えて、戦術的な部分でも賢くならないといけない」

●DF太田宏介(F東京)
「まずは守備から入って、チャンスがあれば前に行きたいと思っていた。バランスは崩したくなかったので、(酒井)高徳が前に行ったら、リスクをかけないように、ガンガン前に行くのはやめようと思っていた」
―ブラジルとの差をどう感じた?
「カウンターも鋭いし、一つのミスが失点につながることを痛感した。決めるところで決めないと、こういう差を付けられるのかなと」
―手応えもつかめた?
「少ないチャンスの中でも、自分の形を少しは出せた。試合自体も冷静に入れたし、高い位置に行ったときはクロスで終わることもできた。守備では相手との間合いを詰めるところだったり、個人でボールを奪えるようにならないといけない」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「今日の試合は内容と結果をある意味、別々に考えたほうがいいと思う。若い選手、新しい選手が入って、こういう経験をするのはいいこと。前半に見せられたようなプレーはプラスに考えたい。過去4年間にやってきたことから、もう一歩さらに上に行くための時期。常に結果は受け止めないといけないし、自分たちがもう1つ2つ大きくなるために、こういう経験をプラスに変えて、より強い日本になっていきたい。強いチームになるために、こういう試合から経験していかないといけない」
―過去2年の対戦とは意味合いが違った?
「ポーランドでやったときは、フランスに勝ったあとの試合で、自分たちのサッカーがどれだけ通じるか真っ向からぶつかった。コンフェデレーションズ杯では、そこからプラスアルファでつくってきた形が結果として残せるかという試合だった。3試合とも戦い方が違うし、内容もそれぞれ違う。新しい選手が出てきた中で、こういう試合ができたことは日本代表としてプラスだと思う」
―ネイマールについては?
「常に点を取るところにいるし、ゴールに絡む動きを常にしている。危険な動きを90分間している。(シュートの)迷いもないし、決めるべきところで決める」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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