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[国体少年男子]難敵・青森県に4-0快勝!初優勝狙う大阪府が好発進

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[10.18 国体少年男子2回戦 大阪府 4-0 青森県 長崎県立百花台公園サッカー場(人工芝)]

 第69回国民体育大会「長崎がんばらんば国体2014」サッカー競技は18日、16歳以下で行われる少年男子の2回戦を行い、6大会連続4強以上の成績を残している大阪府は青森県と対戦。FW松本歩夢(G大阪ユース、1年)の先制ゴールなどによって4-0で快勝した。

 シュート数は23-3。左SB舩木翔(C大阪U-18、1年)が「初優勝したら、大阪にとって大きいし、これから強くなっていくと思う。初優勝したい」という大阪が難敵・青森相手に快勝を収めた。試合開始直後、大阪は永野悦次郎監督(大阪桐蔭高)から明確なメッセージが飛ぶ。「下げるな!」。安易にバックパスを選択することなく、前線にボールを当てて中盤がサポート。そしてグループで崩しにかかる。指揮官は「何も言わなかったら足下ばかりでもらおうとするんで、コイツら。スペースでボールをもらうという意識の中でドリブルがあったり、1タッチがあったり、バリエーションをもってやらないといけない。みんな同じランニングをして、それで一人ひとりの持ち時間が長かったりすると止まってしまいますから。そういうサッカーだけは避けたい」と説明したが、大阪には「前へ」の共通意識が持たれていた。アタックを繰り返す中で個々が休むことなくスペースへ動き、攻守両面でのサポートでも相手を上回った大阪は、FW堂安律(G大阪ユース、1年)とMF斧澤隼輝(C大阪U-18、1年)のU-16日本代表コンビを筆頭に個々のタレント力も活かして次々とチャンスをつくり出していった。

 先に得点機をつくったのは青森山田中高の16人で大会に臨んでいる青森だった、5分、左サイドで飛び込んできたDFを外したMF嵯峨理久(青森山田高1年)のアーリークロスに、FW金森義虎(1年)が飛び込む。だが大阪は直後に早くも先制点を奪った。中央のFW松岡大智(C大阪U-18、1年)が左サイドへ叩くと、「相手の右サイドが残ると聞いていたので、あまり上がらないように意識していたんですけど、でも行ける時はボクは前行った方が持ち味出るので前にかかってプレーしようと考えて臨みました」という舩木が走りこんでダイレクトでラストパス。ニアサイドに飛び込んだ松本が1タッチでゴールへ流し込んだ。

 その後も舩木のループパスで抜け出した堂安が決定的な左足シュートを放つなど、攻め立てる大阪は17分にも舩木の右CKを中央の松岡が頭でゴール左へ流し込んで2-0とした。大阪はその後も堂安のスルーパスから斧澤が決定的なシュートを打ちこむなど青森ゴールにシュートを打ち続けて行く。だが、青森もGK山田潤哉(青森山田高1年)が好セーブを連発してこれ以上得点差を広げさせない。前半半ば過ぎから中盤がズルズルと下がってしまった大阪は青森のプレスにハマってボールを失うなど、リズムの悪い時間帯となった。

 青森は27分、中央でのスルーパスで抜け出したMF高橋壱晟(青森山田高1年)が右足シュート。さらに30分には懐深いボールキープからのパスで金森とワンツーを完結させた高橋が再び決定的な右足シュートを放った。だがこれは大阪GK稲垣佳祐(大阪桐蔭高1年)が横っ飛びでキャッチして得点を許さない。

 青森は後半開始から快足FW鳴海彰人(青森山田高1年)を投入。いきなり2分に敵陣深い位置でFKを獲得し、6分にも左サイドを切り裂いた鳴海のスピードとMF黒田凱(青森山田高1年)が立て続けに投じたロングスローなどで追撃ゴールへもぎ取ろうとする。だが大阪は10分、堂安のスルーパスから斧澤がクロスバー直撃の右足シュート。連続攻撃から最後は松本のスルーパスで抜け出したMF食野亮太郎主将(G大阪ユース、1年)が右足でゴールを破った。その後も多彩な攻撃で決定機をつくり出した大阪は27分にも左サイドから永井、MF上畑佑平士(C大阪U-18、1年)が絡んだ崩しから最後は抜け出した斧澤が左足で豪快にゴールを破った。

 右SBとして高い攻撃意欲を見せた伊東伶惟(大阪桐蔭高2年)が「監督が言っているサッカーは後ろでゆっくりやるのではなくて前でやるサッカー。少しはできたかなと思います。監督はまだまだと。ボクらもまだまだだと思うんですけど、どんどん良くなってきている」というように大阪は手ごたえを感じさせる4-0発進した。過去6年間は準優勝4回、3位1回、4位1回。悲願の初優勝を狙う大阪にとって今大会は、「優勝しかない」という周囲からの期待、重圧の中でのトーナメント戦となる。ただ永野監督は「勝ちにこだわるとブラジルみたいになってしまうのかなと。夏にデュソー(クロード・デュソー氏、元フランス国立サッカーアカデミー校長)さんが来てくれて子供たちの面倒も見てもらった。『いいサッカーをしよう』『本当のサッカーをやれ』、そういう話をして頂いた。ちゃんと相手を見て、ちゃんと計画を持って組み立てていくことだったり、時には若々しさだったり、エネルギッシュさであったりとか、彼らに伝えること、それでいいサッカーをすること。もちろん、みんな最後まで全力で守らないといけない。それを言われて、絶対いいサッカーをして最後まで行くようにしようと」。まずは「いいサッカー」をすることにこだわる。その結果、初の日本一を手にする。

[写真]前半17分、大阪はFW松岡がヘディングシュートを決めて2-0

(取材・文 吉田太郎)
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