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[MOM1159]京都府DF小川礼太(京都橘高2年)_「付いて来い!」元気者が声で、プレーで京都変える

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.21 国体少年男子3位決定戦 新潟県 0-1 京都府 雲仙市国見総合運動公園多目的芝生広場]

 3位決定戦を制して大会を終えた京都府の手島和希監督(京都サンガF.C.)は「ディフェンスラインは彼が入って変わったところがあった。存在感がありました」とチーム唯一の高校2年生、CB小川礼太(京都橘高)に感謝していた。この試合で京都は立ち上がりからどこか動きが重く、新潟県の攻撃に崩されかけるシーンも。ただ、「新潟の攻撃は速くて力のある攻撃だったんですけど、前の選手が良くやってくれているので、絶対ゼロで抑えて、前を信じていましたね。(GKの)遠近も良く守ってくれていたので、絶対に失点しないという気持ちでやっていました」という小川は気迫溢れる守りで得点を許さない。そして立ち上がり悪かったチームの目を覚まさせるかのようなインターセプトからの攻撃参加。ボールを奪い返されるようなシーンもあったが、それでも闘将は「良くない時間だったので自分から行って『付いて来い!』っていう感じでいった。ディフェンスでもああいう積極的なプレーは必要かなと思った」。その積極プレーがチームの動きを変え、3位の座を掴ませた。

 前日の準決勝で敗れた後、チームの雰囲気は移動するバスの中でも重かったという。ただ、小川は「引きずっていてもいいプレーができない。去年も準決勝で負けていて、去年の経験がボクはあるじゃないですか。だから『バスの中まではそういう空気出していてもいいけれど、宿舎に帰ったら切り替えて、オレららしく楽しくやって行こうぜ』と言って。宿舎では楽しくやりました」。試合会場では下級生たちにイジられるシーンもあった小川だが、上級生としてその言葉でチームを変えた。この日、京都は試合前のウォーミングアップでも異常な盛り上がり。前半は元気なく攻められたものの、最後の35分間はチーム一丸となって熱い戦いを見せ、MF岩崎悠人(京都橘高1年)の決勝点によって3位で大会を終えた。

 小川は京都橘高で1年時からレギュラーを掴み、昨年度の選手権全国大会では国立のピッチにも立った。過去2年、準優勝、ベスト4という成績を残しているチームの今年の選手権での目標は日本一だ。「今年はまず目の前の試合を一戦一戦戦って、まずは京都予選からだと思うので、京都予選をしっかりと勝って、全国に出たら去年、一昨年の忘れ物を取り戻したいと思います」。元気者のチームでの役割は大きい。「自分らしく、元気出して、声出して。2年でも声出して引っ張っていかないといけないと思う。先輩達とかが落ちている時には声出して、自分らしく『何も考えず』声出してやっていきたい」。チームではそのキャラクターもあってか、「(難しく)考えても上手くいかないよ」「何も考えずにプレーしろ」とアドバイスを受けると言う小川。空中戦の強さ、対人の強さ、ロングスローなどの武器を発揮して一途に、声と元気を出して、勝利を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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