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[選手権予選]「全国9地域の注目校・選手vol.7」_MF森島司(四日市中央工高)

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特集企画[選手権予選]「全国9地域の注目校・選手」

 ゲキサカでは「選手権予選 全国9地域の注目校・選手」と題し、佳境に突入している全国高校選手権予選から各地域の注目校や注目選手を紹介。ユース年代を主に取材するライター陣に北海道、東北、関東など各地域から、選手権予選へ臨む注目校や注目選手を紹介してもらいます。第7回は昨年度全国4強へ進出した四日市中央工高(三重)の日本高校選抜MF森島司選手(2年)です。

 昨年は怖いもの知らずだった。1年生ながら攻守の要として、樋口士郎監督の期待を一身に背負い、安定したボールコントロールと正確無比なパス、2列目からの飛び出しを駆使し、選手権ベスト4に大きく貢献した。

 しかし、今年はチームとして思うように結果が残せていない。全国高校総体予選決勝では海星高にPK戦の末に敗れ、全国大会出場はならなかった。この試合後、森島は樋口監督に呼び出されると、「君とは一緒に戦っている気がしなかった。泥臭い部分が決定的に欠けている」ときつい言葉をかけられた。

「ハッとしました。昨年はもっとがむしゃらにやっていたのに、今は変に綺麗に、うまくやろうとしすぎていた」。

 この言葉を境に、彼のプレーはワンランク上がった。「去年は3年生に頼って、僕は攻めるだけで良かった。でも今はそれだけじゃ駄目。守備も攻撃も両方こなさないといけない。もっと泥臭く、強い気持ちを持ってやらないといけない」と、守備でもハードワークをいとわず、ボールを奪ったら素早く攻撃に転じ、ドリブルとパスで攻撃のリズムを作り出す。

 さらに8月の出雲カップで全国総体王者の東福岡高と戦った際、フィジカルに長けた相手に片手で吹っ飛ばされた。「将来の目標は高校からダイレクトでプロにいくこと。でも、自分はやっぱり線が細いので、もっとゴツくならないといけない」と、フィジカルトレーニングも精力的に取り入れている。

「意識はだいぶ変わりました」。樋口監督の檄を受け、精神的にたくましくなった。だからこそ、選手権は絶対に出場しなければいけない。なぜならば、攻守の要としての自覚と、「プロにいくためには、2年の選手権が大事な舞台になる」という認識もあるからだ。

「和倉フェスティバルや出雲カップで全国レベルの相手とやっても、点は取れるし、対等に戦える。全国でやれる自信があるからこそ、県予選は絶対に勝たないといけない」。

 2年生だからといって、甘えてはいられない。彼は既にチームの核であり、強い自覚を持ってプレーしなければいけない存在なのだ。自らの将来の目標と、自信をつけたチームの力を引き出す存在としての自覚のふたつを胸に刻み、森島司は固い決意を持って、選手権に挑む。

(取材・文 安藤隆人)
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