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[MOM1184]大津MF葛谷将平(3年)_悪い流れを払拭!主将がスーパーゴール!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.2 全国高校選手権熊本県予選準々決勝 大津高 4-0 熊本農高 水前寺公園競技場]

 前半、チャンスらしいチャンスが作れていなかった大津高にとって、初めて迎えた決定機だった。前半39分、大津をここまで牽引してきたMF葛谷将平主将(3年)がゴール前でボールを受けると、左足を豪快に振り抜く。ボールは矢のようなスピードでニアサイドのゴールネットへ突き刺さった。その瞬間、会場は歓喜に包まれ、同時に試合の流れも一変した。
 
「上手く前からプレスを掛けて、僕のところにボールがすぐ来た。本当はアウトサイドでファーサイドを狙おうと思っていました。でも、少しボールが弾んでいたので、ニアサイドを狙って、左足のアウトサイド気味に掛けようと思いました」と得点シーンを葛谷は冷静に振り返ったが、判断力と技術力が詰まったスーパーゴールだった。
 
 しかし、この試合で葛谷はチーム同様に序盤から苦しんだ。自分のところまでボールが届かず、存在感を示すことが出来なかった。それでも、前半唯一巡ってきたチャンスを決め切るあたりはさすがの一言。この得点で波に乗ったか、後半に入ると「休みながら若いヤツを使えと言いました。ちょっと、前半はボランチにボールが入る回数が少なかった。後半は葛谷がそこに降りて来るようになったので、そこでゲームメイクをしてくれるようになった」と平岡和徳監督が説明したように、葛谷のサッカーセンスが随所で光る。
 
 長短織り交ぜた精度の高いキックで試合をコントロールし、司令塔という言葉通りの働きを見せた。中盤の深い位置から裏のスペースに蹴る精度の高いロングキックは、体力的にきつくなる試合終盤になればなるほど効果を発揮。隙あらば自ら前線に顔を出す運動量にも申し分がなく、後半の出来は前半とは比べ物にならないものだった。ただ、「左足か、右足で打つのかを悩んでしまった」(葛谷)という試合終盤に迎えたチャンスを決め切れなかった。ここで決め切れらなかったことに関しては課題点として反省をしている。

 全国高校総体では過去最高となる準優勝。大津に対する注目度も大きく上がった。だからこそ、「県予選で負けてしまったら、総体準優勝という結果がまぐれだと思われてしまう。狙うところはひとつしかないので、そこに向けて練習から取り組んでいこうと思っています。ただ、全国に行くためにも県予選を突破しないといけないので、しっかりと戦っていきたいです」と、チームとしても、個人としても、目の前の試合を大切に戦っている。昨年、辿り着く事が出来なかった大舞台まであと2勝。そこに行く為にも、県予選では負けられない。まずは、昨年敗れた借りを返すべく準決勝へと挑む。

(取材・文 松尾祐希)
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